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音、好きですか?

2022年12月16日、わがHi-Unit初めてのハイエンド機種、ピエール中野さん監修の有線ピヤホンシリーズのフラッグシップモデル、Hi-unit 001-pnk(通称:有線ピヤホン3)が販売開始されました。

2022年4月28日から6月29日まで開催したクラウドファンディングで1億円の支援を達成した【有線ピヤホン3】について、何かしら言葉として残しておこうと考えていた矢先、所属している前田デザイン室でアドベントカレンダー企画を目にしてしまったのです。こういうのってご縁なので、機会ととらえて一般販売開始日である12月16日にエントリーさせていただいた次第。しかも「今年起きた出来事、読んだ本、観た映画でも、来年やりたい事でもなんでもOKです。今年来年関係なく好きなことでも」なんていうステキな企画。思いっきり乗っからせていただきます!

ということで、有線ピヤホン3のこと、書いてみようと思います。

Hi-Unitというブランド

1996年12月にALPEXというイヤホン製造メーカーとの出会いをきっかけに、
2017年1月、中国へ渡航、製造工場の視察・確認。
2017年2月、初号機のプロトタイプ完成。
2017年5月、HSE-A1000発売
というところからスタートしたブランドです。
「あなたの大好きをあの人の大好きに」というテーマのもと、「求めやすい価格のシンプルプロダクトでユーザーに感動体験を」企画・開発コンセプトにしてモノ作りに取り組んでいます。
詳細はこちらのブログに書いていますのでよかったら読んでみてください。

さて、ここから有線ピヤホン3についての話をしましょう。

photo by またにぃ

企画・開発までの経緯

さかのぼること2017年1月、中国にあるドライバー工場にて視察・確認という名目ながらの渡航で音質調整をそのまま行い、とんでもない手応えを感じたその日、以後5年間くらいのロードマップをその場で描きました。当時ジョインしていたCCCグループでの限定販売からまずはスタートし、ハイレゾ対応機種などのモデル追加、ワイヤレス(セミと完全両方)、イヤホン以外の製品の企画・開発・・・たくさんのアイデアが溢れてきた瞬間でした。その中にはもちろんハイエンド機の開発への想いもありました。ただハイエンド機は、生半可な見識や経験では決して踏み入れることを許されない、とてつもなく難しい領域。とにかくしっかりと足元を固めていく、その緒として2017年5月にHSE-A1000を発売。ここからブランドとしての信用を獲得することに集中するという選択をしてスタートしました。
そして2019年夏にピエール中野さん(以下、中野さん)との出会いもあり、有線ピヤホン1そして2を発売。おかげさまで発売から非常に大きな反響、高評価をいただき、今なおそれは続いています。
※2年連続イヤホン専門店有線イヤホン部門で売上本数第一位を獲得

そんなHi-Unitのあれこれは、こちらをお読みください。

中野さんとの打ち合わせ後の宴で「いつか有線のハイエンド機も出せたらいいね」とふと話す機会がありました。
その日から理想の音を求めて理想ともいえる音を探すため、たくさんの現地工場視察、多くの開発者と話をし続けました。多くのサンプル機、ドライバ部品のテストもしました。そこで出会ったの1人が、有線ピヤホン3で協業することになるDARUMA AUDIOのアンディさん。当時はまだDARUMA AUDIOも存在しておらず、ちょっと陽気なたまにホテルのロビーなどでうち合わせたりする中国の人。
アンディさんがメーカーを立ち上げるということで、相談してきてくれたタイミングで距離感や意思の疎通が急激に進んだこと、結果としてそれが有線ピヤホン3の布石になっていたな、と今ならわかります。

人生って不思議なものですね。ご縁とは禍福と同じあざなえる縄の如し。

ベースとなるプロト機との出会い

「いつか有線のハイエンド機も出せたらいいね」とふと話したその日から、2年ほど経った頃でしょうか。未曽有のパンデミックで中国への渡航もできない中でも、定期的にやり取りをしていたアンディさんから連絡が。

「マスダさんの言っていた感じの音、送るサンプルを聴いてほしい」

DARUMA AUDIOの既存のハウジング(イヤホン筐体)に収められた新チューニングのドライバから鳴る音は、一瞬「ん?、、低域、、、ん?」と思いつつも、何とかく長く聴いてみようと思い継続的にテスト。
結果として自分なりに見えたゴールみたいなものを感じたこともあり、中野さんに後にベースとなるプロト機の試聴をお願い。同様に初聴きは同じ感じの雰囲気だったけれど「ちょっと聴きこんでほしい」とお願いして預けることに。
結果として「これはすごいものができるかもしれない」互いにそう感じれるプロト機と出会うことになる、それが2021年11月のことでした。

そこからは、細かい要望をやり取りしてプロト機を作成。音を決める最終のチューニングはいつも音楽スタジオに数時缶詰なのですが、今回も同様。有線ピヤホン3は渋谷のスタジオでした。並行してハウジングのデザインや形、素材などの調整を並行して行って開発を進めました。

クラウドファンディングについて

なんでまたクラウドファンディングで?多くの人に聞かれました。

有線ピヤホン1でも2でも初回生産は予約発注にて完売という状況になってしまったこともあり、さらに初めての3万円越えのハイエンド機。作り過ぎることはできないし、それこそ博打でしかない。何よりも初回の生産数量について「欲しい人に届けきれないこと」まずはこれを避けたかったというのがクラウドファンディングの実施を検討した理由の1つ。
そしてクラウドファンディング開催中に、ユーザーの皆さんとじっくりと向き合って「Hi-Unitの目指してきたこと」「有線ピヤホンで実現したいこと」をお伝えできるという可能性を感じたこと、これが僕の中の最大の理由でした。自ブランドの集大成として考えていたこともあり、どれだけキチンと想いを届けられるのか、それを考えて「クラウドファンディングでやりませんか」と中野さんに相談。「やりましょう」即答で決まりました。

うぶごえで実施したクラウドファンディングページ

結果は、文頭にも書いた通り達成率1,518%、スタートから僕が目標として目指していた1億円を達成。6月29日23時59分の終了を待たずに完全終了となりました。
目標に設定した660万円は200本の支援数。これはもしこの本数で終わっても年間の事業計画の中で取り戻せるであろう赤字で終われるという目標。最近はやりの達成率を大きく見せるための目標でもなんでもなく、です。ストレッチゴールで設定した2,000万円、3,000万円もそれぞれ意味合いがある数字でした。開催期間の2か月、過去のデータから導き出していた支援推移をもとに細かく何をいつどういう風を投下するかを計画。チームが状況の変化に対応するスピードを考えて全容を最初からオープンにせず進めました。

トラブルや思い通りにいかなかったこと、たくさんありました。けれどもそれの1つ1つに対して、1億円というゴールに向かって多くの微調整・修正を繰り返し、うぶごえの担当者さんの「いつでも対応」というスピード感とも見事に絡み合い、結果としての1億円は達成できたと思います。
もっともっといろいろあるけれど、聞きたい人はぜひBAR/SNACK Hi-Unitに飲みに来てください。たくさんお話しします。

東心斎橋BAR/SNACK Hi-Unit。ほんとに僕が店います。

音、好きですか?

音があるのとないのって全然違いますよね。音楽だけでなくあらゆるコンテンツで音は重要な要素だと思います。
聴こえればいい。鳴ってればいい。それももちろん真理ですし、間違っていません。まずは聴こえる、鳴っているは必須です。

イヤホン(聴くもの)を変えたら音が変わること、もし音があるコンテンツを楽しんでいるのならば、知ってもらえたらうれしい。そして音が変われば感動深度が深くなります。それはもうあなたの想像を超えてきます。大好きなアーティストが歌うあの歌が、あの音が、いつも楽しんでいる動画の1つ1つの音のリアルが、映画のシーンで効果的に鳴る音の数々が、想像を超えて耳朶に響き、脳内に革命を起こします。それはまさに衝撃です。

音に正解はありません。自分が大好きと感じる音が、きっと正解です。そしてそれは聴くものや世代、環境などでも変わってきます。なので僕たちが作った有線ピヤホン3が、すべての正解とも思っていません。けれどもプロの現場活躍する皆さまをはじめ、数々のレビューをいただくたびに、僕たちの答えとしてだした有線ピヤホン3が、最良の1つとして評価をいただいていると強く自負を持たせてもらっています。

神前暁さん/作編曲家
ミトさん(クラムボン)/音楽家
高橋敦さん/オーディオライター
DÉ DÉ MOUSEさん/音楽プロデューサー・DJ
散財TVなおしまさん/YouTuber
武者良太さん/ガジェットライター
亀田誠治さん/音楽プロデューサー・ベーシスト
岩崎太整さん/作曲家
ケンモチヒデフミさん(水曜日のカンパネラ)/音楽プロデューサー
戸田清章さん/サウンドエンジニア・プロデューサー
sugarbeansさん/音楽
緒方恵美さん/声優・歌手
松隈ケンタさん/音楽プロデューサー
もにゅこさん (もにゅそで)/動画クリエイター・アーティスト
ミナミムラソデコさん (もにゅそで)/動画クリエイター・アーティスト
DARUMA AUDIO開発チーム
樋口真嗣さん/特技監督・映画監督
佐藤竹善さん/歌手・音楽家
是永巧一さん/ギタリスト・プロデューサー
tezyaさん/シンガー・ミュージシャン
尾崎亜美さん/シンガーソングライター・音楽家
大山泰輝さん/ピアニスト

さいごに

これからもHi-Unit、有線ピヤホンが目指す場所、未来は続きます。大好きな音楽をもっと好きになってほしいし、大好きなコンテンツがもっともっとあなたのステキになってほしいと願っています。
長すぎたかな、最後まで読んでくれた皆さま、ありがとうございます。

Hi-Unitのページに飛びますよ


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