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東京国立近代美術館「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」

2020.01.05 訪問

東京は冬でもスカッと晴れるから好きです。晴れていると出かけたくなる性分なので、少し気になっていた「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」を見に行ってきました。

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窓というものが持つ、世界を繋ぐ力とか、世界を隔てる力とか、あるいは世界を切り取る力とか、そういう側面に焦点を当てた芸術作品を展示してありました…と偉そうに書いておきますが、普段何気なく見ている窓というものにそういう側面があるということにこの展示(の解説)を通して初めて気が付きました(展示解説が作者の意図をどのくらい正確に反映しているかどうかは知る由もありませんが、そこを疑い出してはキリがないですし、少なくとも私にとっては解説は妥当なように思いました)。

この展示が私にとって非常に興味深く感じられた理由として、博物館で展示するモノがほとんどガラスやロープで区切られていて、こちらとはある意味違う世界をそこに作っているということと通じるものがあったから、ということが挙げられるかもしれません。

作品は絵画、映像、立体作品など多岐に渡っていて、あまり深刻に考えず見ているだけで楽しかったです。個人的にMacの「ウィンドウ」を使った映像作品が好きでした。あとはフィルムの切り貼りで作った合成映像の作品、それから屋外にあった作品もなかなか素敵でしたよ。


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JODI「My%Desktop OSX 10.4.7」
Macの「ウィンドウ」を使った映像作品。ドラッグやコピペの繰り返し、つまり手作業で作った作品だそうです。めちゃくちゃにアイコンが増殖してウィンドウが開いていく様に笑ってしまいました。


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藤本壮介「窓に住む家/窓のない家」
屋外にあった作品。ここまでたくさん窓があると、外界から隔絶されるため(=安心できる巣として)の家というより、外界と繋がりながら外界を切り取って見るための場、と呼んだ方がいいのかもしれない。


ミュージアムにはよく行きますが、図録を買うほど好きな展示というものはなかなかないものです。しかし、今回のこの展示は「なかなかない」方の展示でした。ちなみにこの日はたまたま常設展の観覧料が無料の日でしたが、そちらはサッと見るだけで終わってしまったのが少し惜しかったです。今度はそちらをじっくり見たいですね。


東京国立近代美術館「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」開催概要
会場: 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
会期: 2019年11月1日(金)~2020年2月2日(日)
開館時間: 10:00-17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00)
 *入館は閉館30分前まで
休館日: 月曜日(11月4日、12月2日、1月13日は開館)、11月5日[火]、年末年始(12月28日[土]-2020年1月1日[水・祝])、1月14日[火]
観覧料: 当日券
 一般 1,200(900)円
 大学生 700(500)円
 *いずれも消費税込。
 *( )内は20名以上の団体料金。

余談
東京国立近代美術館の公式ツイッターで、学芸員の方による展示解説のイラストが公開されています。一読してからいくとより楽しめると思います。
*当時会場で「窓学の視点から見る窓展」という小冊子を配布していたのですが、もしまだ配布されていたらぜひ手にとってください!情報が充実していて、会場で読むのも帰ってから読むのも面白いです。

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