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ウポポイ 民族共生象徴空間/苫小牧市科学センター・ミール展示館

3連休がやってきたので、飛行機を予約して北海道に行ってきました…!

今回訪れたのは白老・苫小牧……そう、私はウポポイに行ってみたかったんです!帰ってきたら書くと決めていたこちらの記事は、旅行計画当時はウポポイだけになる予定でしたが、苫小牧での隙間時間に訪れたミュージアムも良かったのでそちらも載せて、今回は2つのミュージアムについて書いていきます~


ウポポイ 民族共生象徴空間

私が行ったことのない国立系ミュージアムって、あとは国立アイヌ民族博物館だけだったんです。だから、そこにさえ行くことさえできれば…なんて思っていましたが、いやいやそれ以外を楽しまずに帰るなんて言語道断!ということで、開場と同時に入場し、時間と体力の許す限りウポポイ内のいろいろな体験をしてきました~

ウポポイ入り口
開園時間前に行ったらアイヌ語のラジオ体操が放送で流れていました。アイヌ語のあまりの流暢さにかえって混乱するので是非聴いてほしい

国立アイヌ民族博物館

ウポポイ入ってすぐの博物館です。展示室は常設展・特別展共に2階にあります

外観を夕方に撮ってしまった

常設展

北海道に住むアイヌの暮らしや歴史をテーマに展示が構成されています。トピックを示す展示解説ではまずアイヌ語で説明が書かれ、そのあと日本語で書かれていたり、全ての解説が「私たち」という一人称で語られていたり、少なくとも言葉の上ではアイヌの視点で構成されているのが面白い…展示室はひとつですが、特別大きな間仕切りはなく、中央にまず行き、そこから四方へ観に行くようなつくり(九州国立博物館の常設展に近い)です。ウポポイ入場チケットがあればその日は何回でも出入りできるので、ウポポイ内の他のプログラムで忙しい!という方でも隙間時間に楽しめます

常設展の様子
人がいないのは開館直後に撮ったからです

特別展「考古学と歴史学からみるアイヌ史展: 19世紀までの軌跡」

大きな部屋に間仕切りで動線を用意する、一般的な展示のつくりをしています。今回の特別展では、常設展では見られない、考古学的な視点から見たアイヌの歴史がわかります。似たような内容の展示は別のミュージアムでも見られますが、このような展示を国が建てたミュージアムで行っている、という事実には意味があるのかもしれません。なお、観覧には追加料金が必要ですが、一度買えばその日に限り何度でも入場できます

相変わらずこんな写真しかない

体験交流ホール

舞踊の上演などが行われるホールです。観覧には事前に整理券の取得が必要で、意外とすぐなくなります(修学旅行生などの団体さんが複数来ていると尚更)
このホールに入ってまず感動したのが、適当なホールではなく、舞台袖や照明設備の整った、ちゃんとした演劇ができる作りをしたホールだったことです。作りっぱなしではなく、今後もいろいろな(アイヌに関わる)演劇をここで行うことができるだろうな、と感じました

開演前の舞台
ホリゾント幕が上がった状態だと、向こうに「伝統的コタン」が綺麗に見える作りになっています。計算して作られたんでしょうね

このホールで私は、映像作品は見ずに、アイヌの伝統的な舞踊や歌を披露する演目を見てきました。演目は2本観ましたが、舞踊や歌そのものはもちろん(多分専属のスタッフです)照明や映像、音響などをうまく利用しており、パフォーマンスとして見応えがありましたね。全然皮肉ではなく、アイヌ文化をよく知らない人にPRするという点でよくできていました

体験学習館

様々な体験ができる建物です。そこで行われるプログラムの中に、楽器演奏を聴けるものがあるとのことで、聴いてきました。アイヌの伝統楽器であるトンコリとムックリの演奏です。トンコリは、湿った感じの、響きが豊かで少し物悲しさも感じる音が出ます。ムックリは、ビョーンという特徴的な音が出るのですが、これが信じられないほど響きが変わります。ちなみにトンコリもムックリも国立アイヌ民族博物館1階のミュージアムショップで購入できます
他に、体験学習館では楽器演奏体験などもできるようですが、私はタイミングが合いませんでした…

体験学習館近くで見られる景色

工房

その名の通り、中でものづくりをするための建物です。ものづくりをするのは私たち来場者だけではなく、スタッフもです。むしろスタッフがものづくりをしている様子を間近に見るための場所と言った方が良いでしょう。ものづくりをしているスタッフには声をかけることができ、何を作っているのか、どうやって使うのかなどを尋ねることができます

伝統的コタン

アイヌの伝統的なお家(コタン)が並んでいるエリアです。ただお家を見るだけでなく、内外でいろいろやっている体験や講演(仕掛け弓の仕組みとかについて知ることができます)に参加できます。その中から私がやってきた体験を2つ、ご紹介します

芸能体験「ウポポ アキ ロ」

ウポポ(歌)を覚えて歌う体験です。シントコという宝物入れのふたを叩きながら歌います。白老のアイヌの伝統的なウポポのうち、聴いた限りでは「ヘクリサラナ ハッハッホーハッホー」と書ける一節だけ覚えました。「ヘクリサラナ」は「カミ(神?)の尻尾だよ」と直訳できるらしいです。本当はもっと長い歌なのですが、この歌はそもそも5つの短いウポポの寄せ集めによって成り立っているらしいです(だから全体を日本語訳しても意味がつながらない)

弓矢体験「ア(ク)シノッ」

子供の遊び用の弓と矢を使って的当てをする体験です。2本射ることができ、私は1本目を的に当てましたが、2本目は的に届きませんでした…やってみた感想としては、当てる以前に弓を引くのが難しい(めちゃめちゃ力がいる)、というものです。ゴールデンカムイのアシ(リ)パさん、すごいな…

おまけ: ユク(蝦夷鹿)の焚火ロースト

お昼はウポポイ近くのレストラン(https://haruranna.com)で食べました。せっかくお金稼いでいるからちょっと高くてもあまり食べられないものを…!ということで、鹿肉を食べてきました。画像ではわかりにくいのですが、2種類の部位の鹿肉が提供され、シンタマ(ももの上の方の外側の肉)とバラ(アバラ辺りの肉)を食べてきました。食べた感想としては、食感は、特に骨つき肉の方は、鶏のササミに近い気がして(脂を感じない)、でもササミよりもジューシーさを感じました

骨つき肉は思い切ってかぶりつくのが正解かもしれない

開園から閉園1時間前まで、ずーっと居続けていました(それ以上は体力的に無理だった…日傘持っていけば良かった…)。それくらいいろいろ見るものがあって楽しかったです…!行くのは決して楽ではありませんが、それだけの時間をかけて行く意味はあると思います。楽しいだけでなく、アイヌを身近に感じることができるという点でおすすめです


苫小牧市科学センター・ミール展示館

苫小牧のホテルに泊まったのですが、チェックアウトから飛行機に乗るまでそこそこ時間があったので、ホテルから歩いて行ける距離にあった苫小牧市科学センター・ミール展示館に行ってきました

無料で入れる施設と侮るなかれ、ここには実際に旧ソ連で作られた宇宙船「ミール」が展示されています。実際に宇宙に行ったわけではないものの、予備機として作られたのでちゃんと宇宙で活動できます(今は展示用に改装されているのでできませんが)

手前の白いやつが「ミール」、奥は「クヴァント」という名前がつけられた、ミールにドッキングできるモジュール(模型)です

開館直後に入ったので、展示室は私ひとりだけ、職員さんがいろいろお話ししてくださいました

操縦室
人が多いときや小さい子がいるときには入れない場所です、この時の来館者が私ひとりで良かった!

この機体は、実際に宇宙に行けるように作られた部分(便宜上「本物」と呼びます)と模型部分とに分かれており、少し機体を叩いたときに、模型の方は空洞がある響き(間違いなく金属の音)、本物の方は中身が詰まった響き(金属ではなさそうです)がします。また、模型の方は端子がきっちり固定されていますが、本物の方は端子が少し緩めに付けられています。端子が少し緩めについているのは、ドッキングの際に少しならずれても対応できるようにするための工夫だそうです。他にも寝袋とか顔を洗う方法とか、いろいろお話を聞きました

ちなみに、この機体がここに届いて2,3年は野晒しで展示されていたそうです、だから機体の一部に布がかかっているとのこと

ミール展示館があまりに面白かったのでたくさん書きましたが、本館(という表現が適切かどうかわかりませんが)の展示も味があるので是非観てほしいです

防災救急ヘリコプター「はまなす」(本物)
職員に声をかければ中に乗ることもできるようでした

人がいないからすごくゆっくりじっくり見られて楽しかったです。もう少し知られていても良い施設だと思います


いやあ、楽しい3連休でした…この「楽しかった」を胸に、また仕事を頑張れそうです

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