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ワタリウム美術館「梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ」

会期が終わり、もうネタバレを含んだ投稿をしても大丈夫だろう、と思って投稿します!


確か美術手帖のメルマガで見つけた展示だったと思います。公式サイトの「ワタリウム美術館そのものを主役としたツアー型の展覧会」という言葉に惹かれ、勤務予定と体調と相談しながら参加する日時を決めました。前期展示と後期展示を1回ずつ!

ツアーのため、遅刻厳禁。だから、指定時間の少し前に到着するように向かいました。受付をすませると、整理券が渡されました

前期展示の整理券はビビッドピンク、後期展示の整理券は黄色でした

5分前にインフォメーションカウンター前に集合し、注意事項が伝達されます。エレベーターに乗ったらもうツアーが始まっているということ、展示の写真は撮れないこと(だからこの記事に、展示の様子がわかる写真はありません!)。そのままエレベーターに乗せられて、展示鑑賞が始まりました

ツアー型の展覧会ではありますが、スタッフを先頭にぞろぞろついていく、というわけではありません。案内役のパフォーマーがそれとなく示してくれる道に従って歩いていきます。

道すがら、いろいろなものが現れます。いわゆるモノの他に、パフォーマンスだったり、他のグループだったり。そう、いくつかのグループが時間をずらして同じ順路を辿るため、他のグループと”目が合う”ことがあるんです。移動時間、滞在時間の全てが計算された、視線の交差…

現れたものを見ると同時に、聴くことも重要に思いました(そういえば最初の注意事項で、静かに過ごすことを求められる場面がある、と言っていました)。聴くという面で印象的だったのが、パフォーマーの方のアナウンスです。1番最初の部屋(暗くて、中央にロウソクのある部屋)で聞いたワタリウム美術館前の交差点についてのアナウンスを、後からそれとは別の部屋で聞くという構造になっていたのですが、その意味するところが変わったのがとても面白かったです(ちなみに後期展示(つまり2回目)を観に行ってようやく気がついたのですが、1番最初の部屋では、ピンホールカメラの要領で、交差点の様子が壁に映し出されていました)

ツアーの終わりでは、ワタリウム美術館の向かいにある空地に案内されます。そして、計算通り、他のグループと交流することになります。ちなみにこの空地では、グループの他のメンバーとのちょっとした連帯感を感じることができました。一人で知らない人と行動することでしか得られない楽しさもある

ここまでアートとしての楽しさを述べてきましたが、建物ツアーとしても十分楽しめます。普段は入ることのできないオフィスやバックヤードに入れたり(ところで、パフォーマーの方が重要な役割をしているこの展覧会ですが、バックヤードにいた人はワタリウム美術館側のスタッフさんだったはず。どこまでが演技でどこからがなんでもない行動だったのだろう?)、安全上の理由でお客さんの前で開放することのない部分が開いたりするため、ワタリウム美術館をよく知っている人もそうでない人も、「ここがそんなふうに?!」と驚いたのではないのかな、と思いました

後期展示は、モノやアナウンスの追加、それから前期展示の種明かしなど、前期展示を知っているとより楽しめるものとなっていました。まさか「1分前の」アナウンスが本当に録音だったとは…そうなると他のアナウンスももしかして…?


ワタリウム美術館という建物と、そこで繰り広げられるアートの両方を楽しむことのできる、充実したツアーでした。こういう参加型の展示も定期的に見つけて参加したいですね


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