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幼馴染とこれから

幼馴染と会ってきた。
年明け以来だから、約2ヶ月ぶりだろうか。
大人になってからも年に何度も、わざわざ会うなんて、本当に貴重な存在だと思う。

彼女とは物心がつく以前からの友達で、所謂幼馴染というやつだ。幼い頃は喧嘩ばかりしながら、それでも一番に仲が良かったし、姉妹のように育ってきた。

お互いに歳を重ね、今はもう喧嘩なんてしないけれど、仲の良さには拍車がかかっている気がする。年々、彼女の考えに共感して尊敬するようになったし、お喋りが尽きない。

本当に小さい頃から一緒にいたからたまに忘れかけるけど、ある時を境にウチと彼女の家庭環境はガラリと変わってしまった。台風だろうが、学校が臨時休校になろうが気にせず遊びに行けるほどに近くに住んでいたのに、彼女は突然少しだけ遠くに行ってしまった。

わたしはその当時のことをなぜだかハッキリと思い出せない。モヤがかかったように朧げだ。自分が何を思ったか、どういう言葉を交わしたか、残念ながら全く覚えていない。

彼女の元には不思議なことにたくさんの苦難がやってきて、でもつらさなど顔に出さず飄々と乗り越えてしまう。悲しいこともやりきれないこともたくさんあっただろうに、当事者ではないわたしの方が心配したくらいだ。ある意味ドライで感情が読みにくい人。

ちょっと冷たいんじゃない?って思ったことも数知れずだけど、今はそんなところも大好きである。ほんの半年だけ年上のお姉さんな彼女の温度に気がつけるようになったから。

すぐにパニックになるし、あたふたするわたしと正反対で落ち着きの権化みたいな幼馴染。それでもお互いに大事にしている部分の価値観は合うし、長年付き合ってきた情は深いもので。

人付き合いって時間が経つと少しずつ変わっていくけれど、変わらないでそこにいてくれる存在がいることが、本当に幸せだと思う。


最近は、この先30年どう生きていくか?という話題でかなり盛り上がった。
とりあえず、2年後30歳になったら一緒に人間ドックへ行く約束をした。もしも、どちらかに何かあっても励ませるように。ひとりは少し怖いので。
そして30歳以降は、ここまでよく生きた!と自分を労い、余生を過ごす。人生のボーナスタイムだと思って毎日を生きる。30年も、事故にも病気にも遭わずに生きたって奇跡みたいなことだと思う。
何も成し遂げていないし、もし一人一人の人生に与えられた役割があるのなら、その自覚もなく果たせてもいないだろうけど。
ずっと幸せなわけじゃない、つらいことの方が多いかもしれない日々を積み重ねて積み重ねて、今ここにいることはすごいことなのでは。


喫茶店でお茶をしながら、こんなことを取り留めもなく語り始めるわたし。何言ってんだと思いつつも慣れで当たり前のように話にのってくれる幼馴染。

残りの人生がどれだけあるかわからないけど、いつまでもたわいもないことで笑い合っていたいなと感慨深くなった。

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