見出し画像

隣に引っ越してきた人

最近、隣の部屋に誰かが引っ越してきた。前の住人は1か月ほど前に出て行ったので、住人の回転率としては良い方かもしれない。おそらくは男性の1人暮らしだ。この住人を仮に【猿】と呼称する。理由は後述。

私が住んでいるマンションは小さい4階建てのペット可のマンションだ。意外と札幌だとペット可は少ないため、地下鉄沿線で探そうとすると難儀した。駅からは徒歩10分ほどだが、まあ条件としては良い方だと思う。家賃も札幌相場でいえば普通くらいだろう。

私の住んでいるマンションの最大の特徴は、壁がめちゃくちゃ薄いということだ。ペット可なのに。隣が洗濯機を回している音は丸聞こえだし、少し大きな声で笑おうものならそれもバッチリ聞こえる。

そんなこともあり、前に隣に住人が住んでいたときから、ある程度の生活音は気にしないようにしてきた。だが、今回の住人【猿】は一味違うようだ。

まず、隣の部屋に【猿】が引っ越してきてから犬の鳴き声がめちゃくちゃ聞こえる。おそらく、大き目の犬が1匹と小型犬が1匹いると思われる。こいつらが、夜中にめちゃくちゃ鳴く。昼間は大人しいのに、夜になると太めの声と高めのキャンキャンという鳴き声の二重唱だ。犬界のFIRE BOMBERである。

だが、それだけではない。この飼い主と思われる【猿】が、また凄い。

おそらく酔っ払って帰ってきていると思われるのだが、トイレでめちゃくちゃ嘔吐している音が丸聞こえなのだ。さらに、酔っ払ってなにやら意味の分からない奇声や、犬達に対抗した鳴き声をあげている。本当に「キー!!!!」みたいな奇声だ。それが【猿】の鳴き声にそっくりなのである。故に、私はこの住人を【猿】と呼ぶことに決めた。悪気は無い。悪意はある。

普通であれば、単純に管理会社にちょっとしたクレームを入れて終了だろうが、それでは面白くない。実際、私は毎夜犬の遠吠えが聞こえる状況でも割と眠れている。

というのも、私が大学時代に住んでいた学生寮は、壁がベニヤ板だったのだ。これは比喩ではなく、マジでベニヤ板1枚だ。そのため、隣の音が丸聞こえという状況にも慣れている。慣れているどころか、隣の部屋の奴が彼女でも連れてこようものなら、その隣の部屋に多くの寮生が集まって嫌がらせのように酒盛りを始めていた。いや、語弊があった。「嫌がらせのように」ではなく、明確な意図をもった嫌がらせだった。

さらに、うるさい環境や過酷な環境で寝るということにも慣れている。部屋の中で手積みの麻雀が行われている状況でも余裕で熟睡できるし、隣の部屋で先輩が爆音で【m.o.v.e】の『Gamble Rumble』を流しながらmotsuパートのみを熱唱していても、yuriパートを隣の部屋から歌って合わせるくらいの寛容性とユーモアを持ち合わせている。

だから、私がすべきはクレームではなく、この状況を『面白』に繋げることだ。

今考えている案としては、隣の部屋から聞こえる【猿】の奇声や犬の声を録音し、それをサンプリングして曲を作ってやろうかと思っている。ボーカルのユニット名は【monkey&dogs】で決まりだ。曲名は『隣は何をする人ぞ~二番風呂Remix~』である。DTMはまだあまりやったことは無いが、環境はあるのでそれっぽいテクノポップなトラックを作ってみようかと思う。

そう考え始めると、早く音声素材が集めたくて隣人の夜中の奇声がちょっと待ち遠しくなってきている自分がいる。昨日は、おそらくシャワーを浴びながら野太い声で【nobodyknows+】の『ココロオドル』を歌っているような声が聞こえた。多分【猿】は私と同世代だ。録音が間に合わなかったのが非常に悔やまれる。私も隣の部屋から「エンジョーイ!」と参加してやろうかと思ったが、最終的な目的のためにグッとこらえた。プロセスを楽しまなきゃ。

これから夏にかけて、窓を開ける機会も増えるだろう。そうなると、どこまでクリアな音声が録音できるか非常に楽しみである。

新進気鋭のテクノポップユニット【monkey&dogs】

デビューシングル『隣は何をする人ぞ~二番風呂Remix~』

Coming Soon!!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?