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3月14日 京都その2 本屋さん

 京都での大切な用事が終わった。帰りの新幹線の時間まで3時間半くらいあるので、誠光社さんという個人書店を訪ねることにした。今年に入って個人経営の本屋さんめぐりを始めた。独立系書店というそう。誠光社さんで5軒目。どの書店も一歩足を踏み入れると、静かで穏やかなんだけど、密度の濃い空気に満ちてる。好奇心っていうのかな、みずみずしいものが目覚めていって体丸ごと嬉しいみたいな。
 店主さんによる選書や本の並べ方というのが妙技というか魔法というかワクワクする。それに、「ずーっと気になってた」とか「昔っから好きだったんだ」と、過去形で心にしまってたものが本棚に大切にちゃんと並べてある感じで嬉しくなる。「そのジャンルで選ぶとしたらこの本です。」というような魂込めた選書というか。。。
 しかも、(伺ったのはまだ5軒だけだけど)どのお店もそれぞれに店主さんの個性が出ていて本当に興味が尽きない。誠光社さんからうちに連れ帰った本とチラシ。それにZINEも一冊。制作された方をなんとなく知ってるので恥ずかしくって写真には載せなかった。笑。

 今回は折々に訪ねる美術館に所縁の本。私が来ること知ってたの?と思うくらいこの二冊は近くに平置きされてた。入り口に置いてあった橋本治展のチラシ。この文学館も時折訪れる。それに橋本治さんは高校生の頃から大好きな作家の一人。急逝された時は泣いた。

 他にも気になる本があった。看板とか暖簾などの文字やおみくじやお札や扁額の文字を収集した本。歌舞伎などで見る勘亭流の隙間のない文字は、江戸の商人たちの勢いの表れと読み解いてあった。

 実は私にも惚れ惚れとする町の看板の文字がある。東京から埼玉に走る私鉄東上線の板橋にあるいくつかの駅の駅名看板の文字だ。

 駅によっては縦の看板もある。商店や医院にも同じ人が作ったんだろうなと思うものが掲げてある。この正しくて清々しい文字を見ると花丸をもらった日の小学生の自分を思い出す。先生が「よくできました」と赤ペンで書いてくれた文字と同じ感じがして、見上げる私は無邪気にウキウキする。

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