アラブ首長国連邦の国家ゲノム戦略

UAEのゲノム・遺伝子に関する情報を集約していきます。（最終更新日 2024年8月4日）

Emirates Genome Council エミレーツゲノム評議会

Emirates Genome Council (エミレーツ・ゲノム・カウンシル)は、UAEの医療システムへのゲノミクスの組み込みを規制、監督、指導するために 2021年6月に設立されました。カウンシルの議長はアブダビ皇太子でAbu Dhabi Executive Council の議長である His Highness Sheikh Khaled bin Mohamed bin Zayed Al Nahyan が務めています。

Emirati Genome Program エミラティ ゲノム プログラム

エミラティ・ゲノム・プログラムは、UAE国民の健康を向上させるために、遺伝子データを活用する国家プロジェクトです。このプログラムは、UAE国民の遺伝子配列を特定し、慢性疾患の予防と治療に役立てることを目的としています。

プログラムへの参加は自発型（ボランティア）で、UAE国民は指定されたサンプル収集サイト（主に病院）を訪れ、大人は血液サンプル 8 ml を提供し、子供は頬の内側粘膜から綿棒で2本採取します。G42 Healthcare の Omics Center of Excellence に転送され、専門家がサンプルを分析します。先進的なシーケンシング技術と人工知能を用いて、包括的なゲノムデータを生成・分析し、UAE国民に特有の参照ゲノムを作成します。

期待される成果

プログラムが成功すると、医療従事者は高品質な情報を得ることができ、個々の遺伝的特性に基づいた先進的な診断、治療オプション、予防プログラムを提供できるようになります。また、現在および将来の遺伝性疾患の予測と予防が可能になり、希少疾患や慢性疾患に対する新しい治療法の開発が進展します。

UAEはこの遺伝子データを活用して、人口の特定のニーズに応じた医療戦略を策定し、予防医療の発展を支援します。

参加者数推移、目標100万人

エミラティ ゲノム プログラムは、2019年にアブダビで開始され、その後全国に拡大されたUAEゲノム計画では、2024年6月までに60万人以上の国民から血液サンプルとDNAサンプルを収集しています。

EGP 関係者

Emirates Genome Council
Department Of Health (DOH) アブダビ
M42 アブダビ拠点のハイテク医療企業
G42 Healthcare
Ministry of Health and Prevention (MoHAP)
Emirates Health Services Establishment
Dubai Academic Health Corporation

採取後はどこに保存されているか

包括的なヘルスレポートを作成するために全ゲノム配列解析を受け、残りのサンプルは、アブダビのマスダールシティにあるG42ヘルスケア施設のOmics Center of Excellence 研究所にあるバイオバンクに保存され、安全に保管されます。

結婚前の遺伝子検査

2024年4月発表のニュースでは、アブダビ保健省 Department of Health と Abu Dhabi Public Health Centre (ADPHC) が協力し、アブダビの主要医療センターで提供される婚前検査サービス内の遺伝子検査の拡大を通じて結婚前のカップルを支援、353組のカップルが登録しました。85%が遺伝的適合性を達成し、遺伝子検査の結果に基づいて追加の家族計画介入が必要になったのは15%でした。