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運がいいとか悪いとか、変な運とか

とにかく、くじ運やその類に恵まれない。

宝くじは300円以外当たった試しがなく、懸賞の類いは本当に当選者が存在するのか疑ってしまう(単なる僻み)。ライブのチケットは外れるのが当たり前、当たったとしても良席などまず取れない。例えば東京ドームなら、2階スタンドの天井付近。日本武道館なら傾斜のきついやはり2階スタンド上部、日の丸がよく見える席が定位置だ。記憶に新しいところでは、任天堂switch本体の抽選販売を半年も粘って当選に至らず、たまたま家電量販店に立ち寄った夫が入荷のタイミングに出くわして買ってきたというオチ。

そしてタイミングの悪さ。時間指定の宅配便を待ちながらトイレに行くのをぎりぎりまで躊躇い「ちょっとだけなら」と用を足しに行ったその時にピンポーン、などしょっちゅう。あ、ちゃんと手は洗います(笑)

その他にも「なぜ今」というタイミングをよく踏んでいる。若かりし頃、束縛の強い彼氏の目を盗んで飲みに行こうとしていたらバッタリ出くわした。駅の改札で散々、まっすぐ帰れと口喧しく言われながらようやく解放されて、奴が電車に乗ってしまったであろうタイミングでこっちも動き出そうと思っていたのに、駅でソバ食ってんじゃねーよと。立ち食いソバ屋の前で目が合って、それで大喧嘩の末キレイさっぱり別れられたからよかったけど(笑)

そのうえ自他ともに認めざるを得ないほどの雨女である。とにかく旅行での悪天候率が尋常ではない。なんなら晴れ予報すら覆すので、そろそろ友人にも呆れられている次第。旅行の最後に「今回は降らなかったね」と言われることも。なんなら袴を着た日も白無垢を着た日(これは後に晴れた)も雨だった。母を小旅行に連れていった時などは、ディズニーランド、軽井沢、草津温泉、東京見物すべてどこかで雨が降った(母よ本当にすまん)。ライブの為に遠征したら台風19号直撃で、ホテルをキャンセルしてアンコールも諦めて急いで戻った……と枚挙にいとまがないほどの雨女っぷりだが、ここ2年くらいは降水確率90%から60%くらいに減ってきているのでちょっと嬉しい。どんだけだ。

これまで運のないエピソードを並べてみたが、逆に妙な運は持っている気がする。


1.いきなり演奏会のステージに引っ張り出された

これは中学時代、地元の高校の吹奏楽部定期演奏会に行った時のこと。チケットの半券に6桁の番号が書いてあり、何かの抽選らしかった。演目の途中で抽選会が始まり、なんと私の番号が「当たり」だったのだ。のちの人生で外れくじを量産することになる私が6桁番号で当たりを引くとかありえない話なのだが、とにかく当たってしまったのでステージに誘導された。何かプレゼントがあるとかだったら良かったのだが、これから演奏する曲に参加してほしいと。無理、絶対無理でしょ!とパニックになる私に、部員のお姉さんがマラカスを渡してくれた。他にも当選者が2、3人いて、カスタネットとかタンバリンを渡されていたから、演奏に影響のない楽器を適当に叩いてればいい、的な感じだったと思う。そしてインタビュー。学校名と名前を言わされたと思うが頭真っ白状態だったので訳が分からず、ただ客席で友人たちが爆笑していたのだけは見えた。そして演奏が始まり、誰でも知っている流行りの曲に合わせてシャカシャカとマラカスを振る。絶えず振っていないと間がもたないから必死でシャカシャカ。恐らくとんでもなく引きつった表情をしていたのだと思うが、スマホが存在しない時代で心から良かった。スマホがあったら絶対に動画撮られて学校で拡散されたに違いない。逆の立場だったら私も絶対やる(笑)


2.追突されてあなたも私も不幸中の幸い

近くまで車で出掛けた帰り、信号待ち中に追突された。ミラーを見ていたら「あ、来るな」と思ったのでブレーキをしっかり踏みこむ。やっぱりコツンと来た。相手方がうっかりブレーキから足を外しての追突だったので衝撃はごく軽く、怪我もなかった。ひとまず双方の車を路肩に停めると、後ろの車から降りてきた年配の女性が「ごめんなさいごめんなさい」と平謝りしてきた。私が当時乗っていた車はSUVで背面タイヤが付いていたから、ちょうどむき出しの背面タイヤにぶつかったのだ。衝突箇所を確認しても私の車は無傷で、追突してきたおばちゃんの車の方がしっかり凹んでしまっていた。車も私もダメージがないので特に何をする必要もないと判断し、私のことを崇め奉らんばかりにありがとう、ありがとうと半泣きになっていたおばちゃんには(信号待ちで携帯を見ていてブレーキを外したと言っていたので)本当に気を付けてね、と何度も念押ししてそこで終わりにした。私もこの車のおかげで何ともなかったけれど、それよりおばちゃん、ぶつかったのが私で本当に良かったよ。1台前にいたBMWにぶつかってたらと思うと……そしてスピードが出ていた状態でぶつかって最悪、玉突きになっていたかと思うと……想像するだに怖い。


3.立見席が神席に化けた話

これはあまり人には話していないが(特にファン同士だとこの手の話は避けておこうと思って)、以前とある舞台のチケットを取った。見えるかどうか微妙な立見席だったがとても楽しみにしていた。当日、立見の待機列にいたところスタッフから誘導されて、何故か小部屋に通された。要は「当日一部の座席を開放するので移ってほしい」と。なるほど、当日券扱いみたいなものか。なんにせよ椅子があるのは有り難いな、と思ってチケットを見たら……

まさかの最前列センター付近

は?

なんで?

最前列使う予定にしてなかったんかーい!というツッコミは置いといて、あまりの衝撃に足がリアルに震えた。他のファンの方には内密に、と言われていたので誰にも言えず勿論SNSにも書けず、一緒に通された数名と無言で劇場に入った。ち、近い……。当たり前だけど目の前が舞台。はるか遠くの立見エリアだと思って、そんなに気合い入れておしゃれしてこなかったことを激しく後悔した。そして演目が終わった頃には疲労感と高揚感がないまぜになり虚脱状態。記憶はすっかり飛んでしまっていた。初めから最前列が取れていて楽しみにしていたわけではなく、突然降ってわいた神席なのだから有り難い事この上ないけれど心の準備というものがあるので正直心臓に悪い。

こんなふうに小さな貧乏くじを引いたと思えば、運の乱高下を起こしがちである。これからまたどんな面白いことが起きるかわからないけれど、運に頼らず慎ましくいれたらと思う。いつか懸賞のひとつも当ててみたいとは思うけど。






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