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小さな平屋建て

ものすごく贅沢な夢を書きます。

平屋建ての家に住みたい!

これは夫婦共通の夢です。二人とも田舎の一軒家で育ち、私は幼稚園まで祖母と一緒に小さな平屋に、夫は高校を卒業するまで実家の平屋に住んできました。学生時代、私は賃貸アパートで、夫は親戚宅に下宿したのちに中野区の古い&間取りその他もろもろ怪しいアパートで暮らしていました。

紆余曲折の結果、今の古い二階建てに住んでいますが、正直なところ老後はこの立地だと厳しいかも知れません。車がないとままならない上に、地形的な問題も少々。前の家主さんもそんな理由で転居を急がれており、気に入ってくれた若夫婦に破格で売却という流れになり今に至ります。

あれから20年余り、まだ実際に困ってはいないものの我々も上記のことは解ってきました。ならばまだ元気なうちに住み替えも有りだな、と。これはとにかく先立つものが無いことにはどうにもならないので、現実的なことは一旦置いておき夢物語へと移ります。

扉を開けると広い玄関があり、下駄箱のとなりに黒電話と電話帳。右には革張りのソファーとステレオのある応接間。左にはいわゆる居間。居間の向こうには台所。勝手口があり、さらに奥には6畳と4畳半の少し日当たりの悪い部屋。もう一つ、応接間の隣に畳の寝室。これが大好きだった祖母の家。そうそう、縁側と庭も忘れちゃいけません。小さな池の周りをぐるりと囲むように木々と草花。無数の植木鉢も並べられていて、庭の奥まで子供の足で踏み込むのは不可能でした。決して広い庭ではないんですが。

夫の実家も似たような造りで、こちらはもっと広い池に鯉がいました。そしてやっぱり縁側があります。そんな環境で幼少期を過ごしていたので、平屋建てがとてもなじみ深く懐かしいものなのです。随分前の「鉄腕DASH」で城島リーダー扮する節約母ちゃん「茂子」さんの家、覚えてる方いますかね。あんな家に本気で住みたいと夫婦共々思ったものです。

近所ではないのですがよく通る道沿いに、ステキな平屋建てがありました。昔の家、というよりはモダンな造り。ウッドデッキ風の縁側が通りに面していて、いつも「いいなぁ」と思いながら通り過ぎていました。ある時夫に「あそこの家ステキじゃない?」と聞いたら「俺もそう思ってた」と。ほんと、ああいう家に住んでみたいなぁ、なんて改めて思っていた頃。

再開発だとかで取り壊されてしまいました。

心の底から勿体無い!と他人事ながら嘆きました。出来ることならウチに移築してほしいくらいに。仕方ない事ではありますが、あんな家に住みたい夢だけは持っておこうと思います。

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