憧れのお弁当

恥ずかしながら、お弁当を作るのがとても苦手です。お借りしたTOP画像のように綺麗に詰められたお弁当を作れたらいいのに、と常々思うのですがセンスのある詰め方が出来ません。どうしても「ただ詰めただけ」の豪快なシロモノになってしまいます。もし子供がいてキャラ弁を作ることになってたら本気で病んだかも知れません。

2020年に夫婦そろってテレワーク化したので、お昼の手間をどうにか省けないか考えました。そもそも2人とも仕事をしているのに、1時間の昼休みの中で私が2人分の調理も片付けもして……という状況も積もり積もればイライラの原因になります。同僚ともよくそんな話になりますが、テレワークあるあるではないでしょうか。そうだお弁当を作っておけばいいんじゃないか、ということで弁当箱を新調しました。

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鞄にタテに入れられる、と以前話題になった「フードマン」です。持ち歩きが目的ではないのですが、弁当の他に家飲みのおつまみを折詰めのように入れるのもいいかなと。しかしながら、弁当然りつまみ然り、詰めるセンスがなさ過ぎてキッチン収納の肥やしになりかけてます。そろそろ弁当を復活させねば。

お弁当といえばエピソードは絶えないものですが、思い出に残っているものをいくつか。

デザート付きの素敵弁当

幼稚園の頃、いつもデザートに果物のゼリーを入れてもらっていた男の子がいました。お母さんの手作りで、いちごやみかんを寒天で固めたカラフルなもの。1970年代中盤のしかも田舎で、そんなオシャレなお弁当を持ってくる子は珍しかったと思います。みんな玉子焼きが入っていて、冷凍のミニハンバーグがとても贅沢なおかずだった頃。今では定番のミニトマトなんて当時はありませんでした。なので彼のお弁当はみんなに注目されていました。

それでヤンチャな男子達から揶揄われてしまっていたことはかわいそうでしたが、本当はみんな羨ましかったに違いありません。今ならデザート付きの凝ったお弁当は珍しくないのでしょうが、毎日手作りのゼリーを作っていたなんて、本当に素敵なお母さんだったんだろうなと思います。

他人の弁当が美味しく見える現象

日本橋OL時代に、残業終わりに強面の営業部長から飲みに誘われました。八重洲の立ち飲み屋に行くぞ、と。連れて行かれた先は東京駅八重洲北口の昭和風情が残る飲食街。小型のヤカンから注がれる日本酒と、マカロニサラダやハムカツといった部長(竹内力似)おすすめのつまみが並びます。
「うちの会社の女の子でこういう所連れて来れるのお前くらいだ」って、どういうことですか部長。

普段あまり接点のない上司だったけれど、他愛無い話をして飲んでいた中で、一つだけ印象に残っている話がありました。
「俺らの子供の頃は、こういうの(ハムカツとか)がご馳走だったんだ」と。そして弁当のおかずも質素なものだったという話から、ある同級生の話を始めました。
「俺の弁当はいつも煮しめた野菜とかで嫌だったんだけどさ、その同級生の弁当にはいつも魚が入っていたんだよ。羨ましいな、って言ってたけどそいつん家は漁師だったから魚しかなかったんだと。そいつはそいつでそれが嫌だった。だから時々弁当を交換して食ったんだよ。旨かったなあ」

特に子供の頃は、他人のお弁当が何割か増しで美味しそうに見えていたのを思い出します。母の作るお弁当は勿論美味しかったけれど、同じ卵焼きでもきっと違う味がするんだろうなと思ったりして。ないものねだりだったり、隣の芝生現象に過ぎないことはわかってるんですけどね。

他人のお弁当が美味しそうに見える時、あいつ今どうしてるかな、と遠くを見るように優しい目をして呟いた部長(竹内力似)のことを思い出します。

アルマイトの弁当箱を発掘

昨年末に一瞬だけ実家に帰ったのですが、終活を始めた母の荷物は随分少なくなっていました。もともと私と違って片付け上手な人ではありますが。
そんな中で食器戸棚に残っていたのが、私の幼稚園時代の弁当箱。アルマイト、というんですかね。小さな銀色の、バンビの絵が描かれたものです。
そのお弁当箱はよく覚えています。上記の素敵弁当を持ってきていた子と一緒に食べていた頃のものです。
「懐かしい!」と思わず声が出ます。こんなに小さいお弁当だったんだと。そしてずっと捨てずに取っておいてくれたことに感謝です。どうする?お母さん持っとく?と聞いたら、「持っていきな」とのこと。そんなわけで45年くらい?振りの再会となりました。

今でも全然使えそうです。電子レンジには間違っても入れちゃいけないけど。近々、自分用のお弁当を詰めてみようと思います。甘めの玉子焼きに赤いウインナー(最近の赤ウインナーは合成着色料使用してないんですね)、ミートボールもいいし、おかか+のり弁も捨てがたいです。作ったら写真でも載せてみようかと思います。綺麗に詰められる自信は皆無ですが。




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