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オーバー・ハンド・レシーブを考察する

オーバー・ハンド・パスという言葉は聴き慣れているかもしれません。
しかし、オーバー・ハンド・レシーブというと、少し聞き慣れないところがあるかもしれません。

本記事では “オーバー・ハンド・レシーブ” にフューチャーしていきたいと思います。

オーバー・ハンド・レシーブという用語の誕生経緯

“オーバー・ハンド・レシーブ” という用語が誕生した直接の要因は、6人制バレーボールのルール変更にあると言っても間違いないでしょう。そのルール変更とは1995年から適用されるようになった “ファースト・プレーにおけるダブル・コンタクトの許容” です。2012年の一時的なルール改正により、元のルールに戻るという時期があったものの、現在においてもファースト・プレーにおけるダブル・コンタクトの許容というルールが適用されています。

現ルールが適用されるまでは、サーブレシーブやディグといった守備の局面においてオーバー・ハンドでレシーブをすると、すぐにダブル・コンタクトの反則をとられていたということです。つまり、現ルールが存在する前に “オーバー・ハンド・レシーブ” という用語は存在していなかったとも言えるのです。

” オーバー・ハンド・レシーブ” はまさにファースト・プレーにおけるダブル・コンタクトの許容というルール適用によって生み出されたバレーボールの歴史上、比較的新しいものであると言えるのかもしれません。

1995年には,「チームのファースト・プレーにおけるダブル・コンタクト(1人の競技者が連続してボールに触れる反則)の許容」 というルールが適用され,積極的にオーバーハンドパスを使用できるようになった2)。このルールは,2012年に改正され,一時的に元のルール(ファースト・プレーのダブル・コンタクトを反則とする)に戻ったものの,翌2013年4月にルール適用の実施を延期するこ とが発表された2,3)。このため,実質的には 1995年からのルールが現在も適用さている状態であり,オーバーハンドによるレシーブの重要性が高まっている。

引用元:論文(バレーボール世界トップレベル選手のレセプションおよびディグに 使用する技術:オーバーハンドの技術に着目して)

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