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『フニーニョ』に学ぶゲーム・デザイン

『フニーニョ』というミニゲーム

フニーニョ(FUNiño)
※英語のFun(楽しさ)とスペイン語のNiño(子ども)からつくられた造語

フニーニョを一言で表すなら、サッカーのゲーム・インテリジェンスを育むミニゲーム。日本でいうところの小学生カテゴリーを対象としたプログラムと考えればいいだろう。

発祥はサッカー大国であるドイツ。欧州において育成のトップランカーとも言われるドイツのサッカー連盟が打ち出した育成コンセプトの目玉となるのがフニーニョである。

フニーニョのイメージを掴んでもらうために、次の2つの記事をまずは読んでいただきたい。

子供たちに喜びを。ドイツ連盟の新たな試み「フニーニョ」(前編)
子供たちに喜びを。ドイツ連盟の新たな試み「フニーニョ」(後編)

どのようにデザインされているのか

さて、ではフニーニョというゲームはどのようにデザインされているのだろうか。

私が思うに大切なポイントは以下の3つだと考える。

▶︎複雑な状況判断が求める
・フニーニョを特徴付ける大きなポイントとしてゴールが4つあることがまず挙げられるだろう。ゴール数を増やすことでプレーの選択肢が増え、より複雑な状況判断が求められる。状況判断時の選択肢やスピードを向上させることができる。

▶︎たくさんボールキックできる
・3人vs3人という少人数でのゲームとなるため、一人あたりのボールキック回数が増える。さらに、コートも大幅に小さくされているためボールキック回数が自然と増える。

▶︎意図的に必要なプレーを引き出す
・小学生カテゴリーに取り組むべきプレーを意図的に引き出すためのルール設定がなされている。例えば、シュートゾーンを設けている。こうした制限を与えることによって、単なる球蹴りゲームになってしまうことを防ぎ、ドリブルやパスといったサッカーらしいプレーを引き出すことになる。また、スローイングはなくキックやドリブルからスタートするなどの工夫もされている。

バレーボール版『フニーニョ』

我々、バレーボールコーチがフニーニョから学ぶことはできないだろうか(いや、できるだろう)。フニーニョのコンセプトは、ほぼそのままバレーボールに応用することができると思っている。

私は現在、小学生カテゴリーのコーチングにおいてミニゲームを多用している。例えば、バレーボールコートよりも小さいバトミントンコートで3人制バレーを行ったりしている。随時ルール設定を変えながら、フニーニョ的なコンセプトをもって試行錯誤をしている最中なのである。

まだ、「これだっ!」といったバレーボール版『フニーニョ』には行きついてはいないが少しずつ手応えを感じている。

引き続き、試行錯誤の荒波に揉まれ続けるつもりだ。


バレーボールに関する記事を執筆しています。バレーボーラーにとって有益な情報を提供することをコンセプトにしています。