映画「マネーボール」に学ぶ評価システム
まず、twitter上で紹介したバレーメディア編集室のツイート内容を簡単にまとめてみたいと思います。
1.現在のブロック戦術の主流はリード・ブロック
2.リードブロックにおいてシャット・アウトの本数は多くはない
3.リードブロックはワン・タッチをとって直後の攻撃につなげるという趣旨のものである
4.ブロッカーの能力はシャット・アウトの本数だけでなく“Rebounds” の本数も加味した上で評価されるべき
まとめ:より多面的・客観的な視点から選手の能力を評価すべきである。
引用元サイト:ブロッカーの能力は “Rebounds” で評価(NOTE)
ブロッカーの能力評価方法から考えてみる
上記のことから考えたこと。
それは複数の統計的指標に基づいてにプレーヤーの能力を評価すれば、より多面的・客観的にプレーヤーの能力を評価することができるのではないかということです。このように考えたのは、社会人になったばかりのときに観た映画をふと思い出したことがきっかけです。
その映画の題名は「マネーボール」。
この映画はメジャーリーグを舞台にしたもので、実話に基づいた話です。
映画「マネーボール」から何を学ぶことができるのか?
まず、映画のあらすじを紹介しましょう。
amazon primeのあらすじより引用
前略ー選手からフロントに転身し、若くしてメジャーリーグ球団アスレチックスのゼネラルマネージャーとなったビリー・ビーンは、自分のチームの試合も観なければ、腹が立てば人やモノに当たり散らす短気で風変わりな男。ある時、ビリーは、イエール大学経済学部卒のピーターと出会い、彼が主張するデータ重視の運営論に、貧乏球団が勝つための突破口を見出し、周囲の反対を押し切って、後に“マネーボール理論”と呼ばれる戦略を実践していく。当初は理論が活きずに周囲から馬鹿にされるが、ビリーの熱い信念と、挑戦することへの勇気が、誰も予想することの出来なかった奇跡を起こす!!
あらすじとしてはこんな感じのストーリーなのですが、さらにイエール大学経済学部卒のピーターとの出会いについて、詳しく書いているサイトがありましたので下記、引用しておきます。
映画「マネーボール」より引用
前略ーある日、トレード交渉のためにクリーブランド・インディアンズのオフィスを訪れたビーンは、イエール大学卒業のスタッフ、ピーター・ブランドに出会います。ブランドは野球経験はないもののデータ分析が得意で、各種統計から選手を客観的に評価するセイバーメトリクスを用い、他のスカウトとは違う視点で選手を評価していました。ー後略
この映画から学ぶべきこと。
それは、プレーヤーを各種(複数の)統計情報から多面的・客観的に評価しようとすることの重要性です。そこで出てくるキーワードが「セイバーメトリクス」だと言えると思います。
セイバーメトリクスとは
では、セイバーメトリクスとは一体どんな理論なのでしょうか。
セイバーメトリクス(SABRmetrics)とは:
簡単に言うと野球におけるデータ(選手成績、試合の結果、球場のスペック等のあらゆるデータ)を統計学的に分析を行い、選手の能力やチームの強さなどを分析して、チーム経営や試合の戦略に役立てる手法や考え方のことです。ちなみにこの理論は1970年代に提唱されたものだと言う点も特筆すべき点です。いまでは、野球のみならず、サッカーやアメフトなど他のスポーツにもその手法や概念が活かされています。
参考記事:【野球】セイバーメトリクスとは?野球×統計学の最強の分析手法!たった2つの指標で野球が楽しくなる!【セイバーメトリクス】
正確にプレーヤーの能力を評価するために
ここで、改めてバレーボールプレーヤーの能力評価が適切になされていないのではないか?という点について考えてみましょう。
日本のバレーボール界は全体として、まだセイバーメトリクスの活用例のように、多面的・客観的にプレーヤーの能力を分析し総合的に評価するといったレベルにまでは達していないと言えるのかもしれません。
しかし、元全日本女子監督の真鍋監督から発信された「データバレー」という言葉が一般に広がり、アナリストという仕事も一般的に認知されるようになりました。そして、トップカテゴリーのチームにおいては、専属のアナリストがいることがスタンダードになっています。
こうした現状を見るとプレーヤーの能力がこれまで以上により多面的・客観的な視点から正確に評価され、それに基づいたプレーヤーの選択やチーム戦術の立案ができるようになってきていると思います。
今後、現在活用されている多面的・客観的視点の欠けたプレーヤー能力評価指標が、アナリストなどの専門家によってより精度の高い指標にブラッシュアップされていけば、もしかすると今現在だと低い評価を受けているプレーヤーが高い評価を受けることになったり、またその逆も起こり得るのかもしれません。
そうすれば、そこから発展して新たな戦術などが生まれるということもあり得るのかもしれません。
バレーボールに関する記事を執筆しています。バレーボーラーにとって有益な情報を提供することをコンセプトにしています。