見出し画像

天気日記20180811

土曜/晴れ

電車に乗っていた。

夏場の電車というのは、冷房が効きすぎていることもあるので、わたしはいつも長袖姿である。夏のおきまりなのである。

淑女のみなさまが手の日焼けをさけるために腕からつける、やたらと長い手ぶくろのようなものである。

車内には、お盆休みを利用して出かけるのだろう、家族連れが多くみられた。その中に一人、三十代独身とおぼしき男性がいた。

身なりもおしゃれだし、顔には人のよさそうな笑顔をうかべていた。
しかしどこか妙だった。

笑顔がうかびすぎている。
ずっとやたらと、にやにやしているのだ。

僕は好意的にみれるけど、見る人によってあやしさを感じたり、気味がわるいだろう。

電車に乗ること自体に喜びをかんじいるようだった。


そのときにやっと、彼は鉄オタなのかもしれないとわたしは思った。


彼は、ひと通り電車に乗る喜びをかんじたあと、読書をはじめた。
どんな本をよむだろうと内容を確認しようとした。
細かい数字が書き込まれていた。

時刻表だった。
これは筋金入り。

彼のあやしさの原因が判明し、満足したわたしは、スマホの画面に視線をもどした。

現場からは以上です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?