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【小説】二十歳、父からの手紙

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父親から20歳になった息子への手紙。息子がまだ生まれる前に書かれた手紙。家族に起きたある出来事について、死生観を交えながら綴られている。
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2019年8月の記事一覧

9.幼少期の記憶の断片

9.幼少期の記憶の断片

私が3歳の時、幼稚園に行きはじめた。とにかく落ち着かず騒々しい子どもだったらしい。通学には電車を使っていた。キノカワ線という私鉄だった。日常的に利用していたはずだが、その当時の記憶はほとんどない。今では、運営する会社が変わっていて、ずいぶんと様相が違う。

いわゆる赤字ルートだった。私が中学生のとき、それを廃線にするかどうかで揉めた。キノカワ市とワカヤマ市が関わり、論争が繰り広げられた。そして、

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