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諦めることが最善な時もある

さつまいも恐怖症です。


こんにちは。
彩夏です。


まだ新婚の若かりし頃。
さつまいもを喉に詰まらせたことがある。


その日めがねさんは飲み会で、家には私1人だった。今でこそめがねさんが不在の夜はパラダイスとばかりに1人時間を大いに楽しんでいる私だが、新婚時代の私は可愛い女だった。


めがねさんがいないことが寂しくて、何を食べればいいのかさえ思いつかない。


そんな食欲のない私の目に飛び込んできたもの。
さつまいも。
これを食べて、めがねさんが不在の間に華麗な屁でもこいてやろうと、1人時間を楽しむアイテムを見つけた私。


さつまいもを洗い、ラップに包んでレンジするだけ。爪楊枝がスッと入るのを確認して、少し冷ましてから食べ始めた。


美味い!!
そう感じる間もなく、さつまいもは一口目から私の喉に詰まった。


そう、私はいつも一口目から事件が起きる。
うどんの天かすだってそう。


さつまいもが喉に詰まった緊張から、軽くパニックになる私。飲み物を飲んだところでこの芋は喉を通過するのだろうか。
とても通過する気がしなかった。


めがねさんに電話…
待てよ。
芋が喉に詰まった新妻から、芋どうしたらいい?
そんな電話がかかってきただなんて、めがねさんの出世に響いてはいけない。そもそも、こんなに芋が喉に詰まってるのに、うめき声しか出ないだろうが。バカたれがぁ〜


親に電話…
そんなことを考えているうちに
「私は今日、さつまいもで死ぬんだ」と諦めた。
何気に天を仰いだ瞬間、さつまいもが喉を通過した。神よ。ありがとう。


人間は緊張すると筋肉が萎縮する。
ならば今日が最後だと諦めてしまえば、芋も通過することを知った夜。


その後、私の弟ツグオが私の目の前で焼きそばを詰まらせた。


必死にこちらを見つめるツグオに
「諦めろ」
そう言ってやったことがある。


その時のことを、今だにツグオは恨んでいる。
だけど結果、私の「諦めろ」の一言で君は命を繋いだじゃないか。


さつまいも事件から、私は容易に食べ物を飲み込むことができない。筋張った肉を口に入れてしまおうものなら、無味になったとて噛み続ける。その姿を見てめがねさんは言う。
「はよ飲み込んでしまえよ」


君の今の会社での地位は、私が芋を詰まらせても助けを求めなかったお陰なんだぞ。


感謝したま屁。


画像は《あや:あしあと手帳2》さんからお借りしました。


それでは。
最後までお読み頂きありがとうございます。
ばいなら


66日ライラン/50th

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