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どうか神様 生きる力をください

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生きづらいこの世の中で、生きていく
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#世界

心の温度差

寝てる間に息も、人生も、世界も そして心も停止しますように そう願わずにはいられない 息を止めてみる この世のつながりからの解放を祈って。 体の重みを全身に感じる 私は、世界で一番遅い速度で 目を閉じる そうすれば、おのずと人生も 止まっていくだろう とても辛い時間を乗り越えた先には 何が待っているのかなんてわからないけど ゆっくり幕を閉じるだろう そのまま、世界も止まってしまえばいいのに そうすれば、私が存在する意味も 何もかもが無になって 刹那的永遠を手にすることが

青い夢の一分間

プールの中に潜れば 世界が広がる 美しい魚たちが 静かに泳いで見える 魚と息を合わせて 深く深く沈む だけど息が続かず 再び浮かび上がると そこには日常が 静かに溢れていた 「もうプール上がるよ」と 耳に届く声 あと1分だけでいいから この世界を忘れさせて あと1分だけでいいんだから あの青い世界に夢を見させて あとがき 詩のテーマは、現実と非日常の対比を通じて時間の流れと儚さを感じさせることです。プールに潜ることで現実の束縛を忘れさせ、深い静寂を表現しています。詩の

深海の光

息継ぎを忘れた魚のように 尾びれを揺らして眠りにつきたい 忘れがちな記憶と生命力は 透けて見えなくなってしまっても それでいいんだ。 大人になろうとすればするほど 上手に泳げもしない私を、残酷で冷酷な目で見てくる。 見たかった風景は美しくて好きだけど 少し疲れた私は水面に浮上する。 そのことがとても虚しくて、悲しくて まるで売れ残りの魚のように息絶えるようだった。 「おはよ」って優しい色の海に言えなくなってからは 正解を探して、空を眺めている。 私の切り取った輝かしい過

見えない彼女と見える僕

僕は僕で生きる世界があって この世界に流れる風は、どこまでも冷たい 幾千の星々は、そんな僕にも笑いかけ でもやっぱり、朝になれば泡のように消えていく そこら中を見えないモノたちが潜んでいて 願い事を託す、彼らにはこの世が まるで穴が開いた空のように映っているんだろうか 嫉妬と焦りと闇が漂う世界に何を望むだろうか 冷たい空に見える君を、僕はどうすることもできなくて 海が見える踏切で一人考えてしまう 君に近づく方法は何通りあるのだろうか。 君を見つけてから、灰色であるはずの

探し物と碧い空

探し物が見つからない。どこを探しても見つからない。 もう、探しているものが本当にあったのかもわからないけど。 探し物を探す。 尖った心は誰も近づけさせず、人の話を片っ端から 「そうなんでしょ」って切っていったら 冷たくて、寂しくて、苦しい場所から抜け出せなくなった。 家まで送ってくれた先輩は私に夢を見させてくれたが 結局それは、先輩にとって苦しみしかないんじゃないかなと思う。 ある日、先輩は絵具を持ってやってきた。 首をかしげる私に「君を救い出そうと思ってる」って真剣に言

海から見る月を眺めたい

いらないものだけで構成された僕は ずっとずっと嫌いだった そんな自分の愛し方がわからず 遠回りをした人生 生まれた環境が僕の基準で僕の世界で それが全てを決めていた それしかしらない僕はそれで十分だった ただ、他と違うということを知ってしまってから それからはもっと生きづらかった 知らなかった時には何とも思わなかった行動が 本当は人を傷つけていたかもしれない事 何気なく言う言葉は実は棘があったという事 心配しているつもりが他人事なんだと気づいた時 どうしようもなく恥ず

君のこの人生を

君が欲しかったものは何だい 君が望んでいた世界はどこだい 君がそれを目にしたとき その美しさに、涙を流すほどの 感動が手に入らないのは なぜだと思うかい 近道しようと縮めた空間は 悲しいだけで何も生まれないよ ふわふわと浮遊しながら泳いでは 意味がないと嘆くことを もう終わりにしよう 一筋の揺れる光は、心の中にあって まるで君の信念のように揺れてしまっているよ 月を見てはため息をつく君は 自分の世界に閉じこもり 頭の中は理想で埋めつくされ 独りよがりの世界に浸り 侵入者を