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しつれん

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どんな過去もあなたを作る道* 苦くて甘くて切なくて辛くて 感情をたくさん味わって”あなた”を作ろう
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#恋愛

季節外れのアジサイ

夏の太陽に負けてしまった君が 枯れて儚く散りそうだ 梅雨からずっと咲き誇っていた君の 生命が尽きた瞬間か 夏の暑さのせいなのか 僕の怠慢なせいなのか ただ本当に終わったのか 梅雨が好きだった君はあまりの夏の暑さに 生きる希望を失いかけては まばゆい太陽を睨みつけ、怒って 変わらない環境に愚痴を重ねて。 進むべき道はいろいろあっただろう どうすればよかったのかなんて結果論だ まだ大丈夫だろうと めんどくさくて君の生命力を盾にして ほっていたのは僕なんだから。 今更後悔し

消える、夕空

昨日まであんなに輝いていた 君の笑顔は、今は遠い夕空のようだ 夏の匂いとともに風が運ぶ、 あの時の笑い声も、汗ばむ手のひらも 全部、淡いオレンジに染まって溶けていく 夏の夕空を見て、寂しく感じた 昨日始まったような夏が もう終わってしまいそうだから 君の笑顔は夏の青い空のようで 君の優しさはまるで白い雲 僕はその空が好きだった 秋が近づく夕空を見ると 君の笑顔が消えていくようで 少し苦しいな 夕空が消えるたびに、僕は焦がれる 消えゆく空の彼方には、 もう手の届かない思

映画の中の雨

今日は雨、普段見ない映画を見る 悲しい愛の物語り 外の雨と、彼女の涙が、私の心とリンクする スクリーン越しに感じる孤独 まるで私の人生を映しているかのように 画面の向こうの彼女の声が、 雨音に溶けて消えていく 部屋の中の静寂が深くなるたびに 雨の音が強くなり 思い出の欠片が胸の奥で響く 記憶のフィルムが回り出すように 雨の中で、私もまた、 誰かに愛を叫びたいと願う でも、声は風に奪われて 雨粒に変わり、地面に落ちるだけ 彼女の涙が止まるとき、映画は終わり 外の雨も、い

ウーロン茶の涙

眩暈するほど残ったあなたの香りに 夏の終わりが輪をかけて泣かせる もうこれ以上泣きたくない私を これでもかと、あなたのお気に入りの香水で 肺を満たす どうしようもないこの思いを空にぶつけて 吐き出して、忘れられなくて 帰りに寄ったカフェであなたの香りを見つけて 思わず探してしまう自分に嫌気がさすけど あなたのウーロン茶の香水が また私を泣かせる 夏の終わり・・・ もう終わってしまうのかと思うと、切ない気持ちになってしまって。 恋の終わりばかり書いてしまう・・・ 友人

昼間に花火

夏の終わりに 君と並んで座ったあのベランダに ひとりで線香花火を灯してみた 日差しはまだ強く 昼間の空には星の代わりに 雲がゆっくりと流れていた 君と笑い合った夏の夜を思い出し 手の中で花火が小さく揺れた それはまるで君との思い出が 今にも消えそうな儚さで ひとりになっても 変わらない季節の風が頬を撫でる 君が隣にいない今 この花火は、少しだけ悲しくて 静かに沈む花火の火が 空に溶けるように消えていく その瞬間、昼間の空に浮かぶ雲が まるで君に似ている気がして 夏の

炭酸水と夏の横顔【企画に参加:炭酸刺繍】

無味の炭酸水から泡が溢れだし、僕の喉を潤わすけど 僕にはただ空気を飲んでいるような気分だけが残った ラムネの甘さはなく泡が僕を溺れさせ 炭酸水越しに見る君の横顔と無味の炭酸の泡が喉を走る 君の隣にいれたらなんて大人ぶる僕が 炭酸水の爽快さを初めて知った時 炭酸水の泡は弾けてすぐに消えた まるで僕の気持ちのように 君には届かない言葉の代わりに 夏の終わりが近づくにつれ 僕の心は泡のように揺れる 僕の気も知らずにまた君は・・・ 夏の日差しが和らぎ、涼しい風が吹く 炭酸水

寂しいと感じる時間

寂しいなんて言葉では物足りない しずかな空間で息をするのは慣れない いくら後悔しても戻ることは出来ず となりには誰もいないことを知る 感覚がどんどん鈍くなって じかんの経過が分からなくなって ループする夢の中を彷徨う 時刻はもう3時、悪夢の時間が終わる 間接照明が私を照らし続ける 言葉遊びシリーズ 失われた愛と、その後の空虚感を縦読みのメッセージにしました 夢に見るのは彼のこと・・・

遠くへ消えた微笑み

言葉の羅列から生まれるストーリー 無造作に無作為に言葉を羅列する そのままの順番でストーリーを作る 今日はこの羅列↓↓↓ 神様。どうか私に微笑みをください。 この吐露する思いは、苦いチョコレートのようだった。後味の少し悪い大人の味だけど、慣れてしまえば甘く感じるあの感覚。 あなたの背中を追いかけていた小学生のころは、静かに紙飛行機を飛ばして遊ぶような子供ではなく、常に楽しそうな明かりを追い求めて走り回っていた。欲しいものは誰にも言わない。言ってしまうと無くなるんじゃない

あいまいな愛

答えのある中で生きてきた私は 答えのない世界でどう生きればいいんだろう こんな曖昧な世界で私は何を探せばいいんだろう 答えはどこ?探して見つかる? どいういう思考で?ヒントをちょうだい そうやって答えになるかも分からない答えを探し続けてる この心が折れないのはきっと 君がずっとそばで見守ってくれてたから 答えのない感情の中で君は 答えをくれる あぁそうかそうだったのかと腑に落ちる 甘くてあいまいな、、、 これが恋しいということか 最後に君はとてつもない謎を置いていっ

炭酸刺繍【企画に参加】

水槽のポンプからは炭酸のように泡がぶくぶく 金魚は刺激的に泳ぐ 泡の中に映るは、過去の記憶の断片 記憶の糸を紡ぐように、泡があふれ出す しゅわしゅわはじけ飛ぶ泡は自由に舞いあがり まるで手仕事の織り成される刺繍のように 繊細で美しい緻密なデザインは 甘美な思い出をそのままに 光を反射し心を動かすキラキラ あの人を思い出させる記憶がパチパチと 目に浮かぶ笑顔、忘れもしないあの日 抜けてしまった炭酸が手のひらでじっとりと まとわりつく、水ですべて流せればいいのに 淡く切ない

地球の丸さと私の角

誰も泣かないように地球は丸くなったんだって だから私は四角い部屋で一人泣いているんだ 昨日のことが嘘のように、また今日がくる だけどあの感情は引きずったまま 暗い部屋に光が差し込んできたとしても 私の感情はびくともしない、頑丈なものだ 「さよなら」の意味を理解するのは早かった ごめんね、ごめんねって思いが声にならずに 消えていった

記憶の片隅

あ、この香り あ、この歌 あ、この時計 あ、この小説 あ、あ、あ、、、 もういないはずのあなたは どこにでもいて もう思い出すこともないと思っていたのに 私の記憶の片隅に住みついて 私を縛っていく あなたはそうとは知らず わたしは何度も泣いた

恋の地平線

春を感じに海に来た 私の春は まだ遠いけど 地平線のずっとずっとまだ向こう側に 見える気がするんだ さっき春を卒業したばかりだというのに 私は薄情だ もう次の春を夢見てる もし感情が可視化されたら もっと早く気づけたのに あんなに満ちていた心が どんどん引いていたことに ずっと見ないふりしてた 私の淡いピンク色は青い海の地平線へと消えていく 〇と△シリーズ 好きな言葉をお題として組み合わせ詩を作る 今日は 春 × 地平線

波紋の中に

終業式の帰り道、昨日ふった雨の水たまり。 照り返して映る二人の姿からは、少年のような笑顔が輝いている。ちょっと大きめの水たまりの前で二人は立ち止まる。 「なぁ、もしこの水たまり飛び越えれたら好きな人を教えるゲームな」 なんの脈略があっていってるのかわかんなかったから 「飛び越えても飛び越えれんくれても、最悪じゃん」って鼻で笑った あいつはじゃぁ俺からーって、明るい眼差しで無邪気な笑顔が口角に浮かび上がる。スラっと伸びた手足が羨ましい。そして彼は、軽々と飛び越える。 「3組の