コメディー?ミステリー?映画「ナイブス・アウト」感想

TOHOシネマズ上野にて鑑賞。その日の最終の上映回でいったのに月初めの割引+土曜ということもあって意外と席は埋まっていました。今回はネタバレはなしの感想です。

監督は「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」の監督のライアン・ジョンソン。探偵役に007のダニエル・クレイグ、 その他にもキャプテン・アメリカのクリス・エヴァンスなどの有名俳優が多数出演しています。この監督の前作であるスターウォーズはいろんな意味で話題になったので鑑賞前は少し不安があったのですが、この作品は監督の味がちゃんと出ているよい作品でした。ミステリーを楽しめる人であれば前作品の評判を気にして観に行かないのはもったいないと思える作品です。

この作品はミステリーなので内容についてはネタバレになってしまうので詳しくは述べませんが、アガサ・クリスティー作品のような70/80年代の古典的なミステリーの舞台設定になっています。基本的には他殺された大富豪の遺産を巡って誰が犯人であるのかの推理と遺産相続を軸に物語が進んで行きます。登場人物も極端なデフォルメされたものになっており、移民への差別意識を持つ次男やネオナチにハマっているその息子、インスタのインフルエンサーの長男の嫁など一代で財をなした親とそのバカ息子たちという構造になっています。

日本のミステリー映画にありがちな仕掛けが観客に伏せられネタばらしの段階になって初めて描写されるずるい設定はなく、ちゃんと観客にも推理可能な演出がなされており観た後に思わずなるほどと思ってしまうものでした。また。内容も古典的なミステリーではありながらコメディー要素が物語の雰囲気を壊さない絶妙なバランスでミックスされており、このあたりに監督の作家性が存分に発揮されていたと思います。単純な謎解きの面白さだけではなく、家族のあり方についてもメッセージも込められている良い作品でした。自分は文字通りeat shitが回収される演出が非常にスカッし気持ちよかったです。観終わった後に気付いたのですが作中にでてくる「ゲーム・オブ・スローンズ」の王座のような椅子は、あれば遺産相続人をめぐる息子たちの戦いをゲーム・オブ・スローンズに見立てたパロディーということだったのだろうか。

単純に自分の英語力の問題ですが、ダニエル・クレイグが南部なまりを話すという設定だったのですが途中で説明があるまで全くわからずs「CSI KFC」という南部なまりをバカにするシーンの意味が全く理解できませんでした..せっかく字幕でみているのだからこの手の演出に気づけないのは少し損をしている気分です。ちゃんと勉強しないと。.

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