死に様が書かれる物語「スケアリーストーリーズ」感想

新宿バルト9にて鑑賞。ギレルモ・デル・トロが原案で「ジェーン・ドウの解剖」のアンドレ・ウーヴレダル監督の作品ということで観てきました。ネタバレしない範囲で感想を述べていきます。

まず恐怖が最後まで持続していたことがこの作品の最大の魅力だと思います。ホラー映画なので恐怖の持続というのは最大のテーマだと思うのですが、この作品は本に書き足されていくという設定によって恐怖の種類と持続をうまく達成していたと思います。最後までホラー映画を堪能できた作品でした。最近の流行りの一昔前を舞台にしたジュブナイルストーリーとしても良くできていたと思います。時代設定はベトナム戦争中の60年代アメリカを舞台にしてハロウィンのある出来事をきっかけに関わった人間に異常現象を体験していくというある意味テンプレート的な作品でしたが、寂れた田舎町、田舎特有の狭い世界、泥沼化する戦争などの暗い舞台設定はこの作品にピッタリあっていたと思います。

イマイチだと思った点についても述べておきます。全体的なストーリーはありきたりなため割と中盤で最後の展開がわかってしまったのは少し残念でした。もちろんホラー映画なのでこのことはそこまで致命的ではありませんがこの点は個人的にもう少しひねってほしかったと思いました。またところどころご都合主義のような場面があった点でした。具体的に述べるとネタバレにつながるのですが、いくつか選択肢がある場面で登場人物たちが迷いなく目的地に向かうあたりが観ている最中に違和感を感じてしまいました。この時代設定によく出てくる親しい友人間でトランシーバーを持っているといいう設定があったでこのあたりをもう少し生かしてくれればこのあたりの違和感を感じなかったのではないかなと思います。

全体的な感想としてはホラー作品としてはしっかりした作品となっていて映画としてもしっかりした作品になっているのでホラー作品やこの監督作品が好きな人はぜひ観ておくべき作品だと思います。

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