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なぜかシーマンを思い出した映画「CATS」感想

TOHOシネマズ新宿にて鑑賞。公開から2週間くらい経っていることもあって人の入りはそこそこ。前評判が異常に悪く、評論家からも叩かれている作品ということもあって怖いもの見たさで観に行ってきました。

感想はハードルを思いっきり下げていたので思ったほど悪くなかったけど人に勧められる作品かといえばNOという感じです。歌やダンスはまさに熱演でしたが、肝心のストーリーが虚無でひたすら自己紹介を歌に乗せて踊るという単調なものでした。監督はトム・フーパーでしたが、監督の力量というよりもそもそも映画化に向いていないものだったように思います。努力する演出面では人間をリアルな猫に似せていましたが、昔はやったシーマンがちらちら頭によぎってしまって、観ている間ずっと気になってしょうがありませんでした。努力するベクトルを間違ったまま全力で情熱と資金を注ぎ込んでしまった作品でした。

またストーリーの軸についても、ミュージカル通りなのかわかりませんでしたが、集団の長に認められて天界に行くというものが完全にカルト集団の教祖とその信者にしか見えなかったという問題もありました。マタタビも猫の好物というより一度嗅ぐと体から力が抜けて動けなくなってしまう麻薬のようにしか見えなかったです。主人公たちが手品師に連れ去られた長老を魔法で連れ戻すために応援するというものも観ているときはもしかしてさっきのマタタビでまだ夢と現実の区別がついていないのではないかというよくわからない心配をしてしまいました。

ただ前述したとおり歌やダンスは非常にレベルが高いように感じました。作中を通してこれらの演技が雑な場面はなく、カメラワークなども含めてこれはミュージカルでは不可能な見せ方だなとは思いました。気になった点はカメラの視点切り替えが多く、大勢の猫が一糸乱れぬダンスをするシーンを引で長めに見せてくれなかったのだ少し残念でした。

最後になりますが、歌やダンスは非常にレベルが高く俳優などの力の入れようは伝わってくる作品でした。だた努力の方向が間違っていただけ...

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