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35年間在籍した組織への違和感


2024年6月、私は35年間在籍した職場・組織を「早期退職」しました。
その決断を、多くの同僚や先輩・後輩たちは驚き、「次は決まっているの?」とか「大丈夫なの?」と声をかけてくださいました。
ですが、私としてはこう思います。
「次はもう決まっているの?」「辞めた後は何をするの?」と聞く人は、心から私を心配しているわけではなく、単なる興味本位で質問しているのだろうなと、よくわかります。
その一方で「大丈夫なの?」と親身に心配くださる方もいました。
そういう方を大切にしたい半面、興味本位で聞いてくる(というか、私に直接聞かず、別の人間に聞いてそれが伝わってくる)ような人間が大多数だったのも、35年いた組織の実態です。

私が35年間いた組織とはいったい何だったのか?
正確な組織の名称などは流石に省きます。
が、一応これだけ伝えておきます。
国家公務員でした、と。


1⃣ 「お前は公務員が向いている」という呪縛

高校の時、私はそこそこ点が取れる人間でした。
点というのは試験の点。
勉強ができるという部類に属していましたが、暗記が比較的得意で、なおかつテスト向けの勉強の要領がよかったから、というだけです。
頭脳の方が明晰ではなく、理論的な解決方法など不得意でした。
それでも私は大学進学を希望していました。
しかし、某2.5流大学の面接有りの試験(一般入試ではなく推薦)に落ちてしまい、一般入試を目指すしかなくなったところで、母親に「お前働いてくれないかね?」と言われ、結局大学進学をあきらめました。
と同時に、既に合格していた国家公務員への道を選びました。

母親や親族らに常に言われていた言葉がこれです。
「お前は公務員が向いている。公務員じゃないとやっていけない」
堅物で融通が利かない、汎用性に乏しい、といったような理由からです。
当時は受け入れていました。と言っても積極的に同意したわけじゃない、腹が立ちながらも自分はその程度なんだって言い聞かせて。
「まあ、公務員であれば自分と似たような人間が多いだろうし、うまくやれるだろうな。」
そんな半端な甘い気持ちもありました。しかし実態は…。

2⃣ 体育会系全盛

入庁してから、正直言ってこう思いました。
「高校時代と大差ないじゃん・・・」
つまり、体育会系的人間が多く、一方で仲間に馴染めない人間もいます。
その一人が私…。
もう入庁1年目で違和感満載。
自分も悪い部分があったとは思いますが、「上がいうことは絶対!」「要領よく立ち振る舞う」風潮に正直打ちひしがれました。
「ああ、この先俺この組織で一生やっていけるのかよ・・・」
この違和感は、結果的に35年間拭い去ることはできませんでした。

あるとき、同期の人間に飲み会の席でこう言われました。
「これから、40年間60歳までよろしくな!」
この言葉、生涯忘れません。
いい意味でというのではありません。むしろその逆。
「こんな組織で、こんなやつらと40年間以上も付き合えるかって・・・」
もう、目の前が真っ暗になりましたね。

3⃣ 安定はしてるけど

と言いつつも、20代、30代、そして40代とこの組織にずっと居続けました。
住めば都ってことでしょうか?
というより、もし公務員で無くなったら私たちは生きていけない、という呪縛に縛られ続けただけなのでしょうけど。
それでも、平成になってバブルが崩壊し、右肩上がりだった経済が、逆に成長しない状況が続き、終身雇用が当たり前だった社会は一変し、職を何度も変えている人の方がむしろ主流になりました。
その中で私たち公務員は、とりあえず無事に問題さえ起こさなければ、クビになることはなく、一定の収入を得て暮らすことは可能。
その「安定」に私はどっぷり漬かっていました。
貯金も将来も、あまり深く考えず、ただ今の職場にしがみついてさえいればよい。
そんな考えだけでした。

40代前半、職場を辞めたくなったことが多々ありました。
それでも、この時点で辞めることなどできず、悶々とした日々が続きました。
正直、40代の自分は成長がなく、停滞の日々でした。
暗黒の、失われた40代の10年間、と言っても過言ではありません。

4⃣ 有能で素晴らしい人と、問題だらけの人たちと

私が50代に差し掛かるころ、我が組織の人間構成が著しく劣化したような気がします。
優秀で善良な人は一定数いて、そういう方はとことん素晴らしい方だと思います。
その反面で、我儘で自己主張だけはするが、ノルマをやらない、文句ばかり言って、人間性も疑われる、そんな人が増えました。
公務員だからでしょうか?安定していてクビを斬られる心配がないからでしょうか?
そういうぬるま湯にいると、人間も劣化してしまうということなのか?
私は決してそうは思いたくないのですが(優秀で善良な人もいるのだし)、本当にこの10年で劣化した人が目立つようになりました。

「お前が言うなよ」と言われるかもしれませんが、正直に言うと、私のような汎用性に乏しい人間が「まとも扱い」されるようになった最近の状況の方が問題だと思います。
私は20代、30代の約20年間、この組織で間違いなく厄介者扱いされてきましたが、40代半ばになって急激に変わり、むしろまともな人として扱われるようになったのです。別に自分を褒めているわけではありません。(笑)

この組織には、この10年間で、上記のような問題を抱える方が多くいます。一見目立たないけれども、部下にわがままを言い放題で振る舞う人や、病気休暇で頻繁に休む人などがいます。その結果、組織として成り立つかどうかの限界に差し掛かっているのが現状です。
その状況で昨年2023年12月を迎えました。

5⃣ 不当な人事異動、これが結果的に…

もう過去の日記にも書いているので、細かくは言いませんが。
昨年の7月に新しい部署に異動してからまだ半年しか経っていないのに、別の部門への異動を命じられました。この異動は、別の部門にいた人との交換という形です。
その方は、私が移る部門で懸命に働いていましたが、馴染めずに異動希望を訴えていたそうで、その願いがかなった形になりました。
しかし、そのとばっちりを私が受ける羽目になりました。
「なんで私が・・・」
本当に憤ったし、悲しくもありました。
一部の人間は、「お前だからできるって思ったんだよ」と言ってくれましたが、正直不通に振舞っていた(つもりの)私がとばっちりを受け、異動希望を喚き散らしていた方(当時はそう思っていた)の希望が叶うなんて、余りに理不尽極まりない!

最終的に、これが早期退職を後押しした結果になりました。
これ以上、劣化した組織の尻ぬぐいなんかしたくない。
普通にやっている人間が、そうじゃない人間の犠牲になるのは、正直辛い。
これであと10年近くこの組織で働くとなれば、精神的な疲弊がさらに増して、辞めたあとボロカスになってしまうだろう。
であれば、ここで決断してしまおう。
2024年7月以降の収入が当面はなくなるが、退職金と貯金で当面は何とかしてやる。
そう思いました。

まとめ

私がいた組織というのは、世間的なブラック企業では決してなく。(体育会系で、ブラックな側面もあるけど)
安定している面からも、決して居心地が極端に悪かったわけではありません。
上記に列挙した理由も、私だからそう思うのであり。
そう思ってなくて、問題ない人の方が多いとは思います。
私はマジョリティではなくマイノリティかもしれません。
でもそれでいいです。
無理して35年間マジョリティでやってきたのを、ここでリセットしてマイノリティとして生きていくんだ。
その決意を再確認して、この日記を閉めます。
長い文章になりました、読みづらくてすみません。

では、また!


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