見出し画像

DXコンサルが業務フローSaaSを作った理由

こんにちは。アカチセ代表の齋藤です。

アカチセ株式会社 CEO 齋藤祐介
東京大学大学院農学国際専修修了。A.T. カーニーに新卒入社。その後、東南アジアで農・食系スタートアップEmpag Pte. Ltd.を共同創業。2017年よりラクスル株式会社にて物流DXサービス「ハコベルコネクト」の立ち上げを牽引(デジタル戦略部長他)
2021年アカチセ株式会社(以下アカチセ)を創業し、オペレーションが複雑かつ独自のレガシー産業向けDX支援(戦略・開発)を実施

このたび、DX・BPR推進者のための、業務フロークラウド「ゲキカル」をリリースしました。

「ゲキカル」は、プロジェクトの上流工程で行う業務フロー整理をゲキテキに軽くし、プロジェクト運営の効率化・組織横断DXの活性化ができるようにするSaaSツールです。
生成AIにより約60秒で業務フロー作成、業務データのクラウド管理を実現し、プロジェクトの早期化・省力化に繋げます。

アカチセ設立から2年間、大企業・スタートアップを問わず、DX戦略から実務、事業開発、プロダクト開発などのクライアントと、様々なプロジェクトに携わってきました。
どのプロジェクトにも共通していたのは、「一筋縄にはいかない複雑なオペレーション」が絡んだ課題解決が求められるということ。まさに、我々のパーパスである「アセを、カチに。」に通ずる仕事です。

改めて考えると、「ゲキカル」のリリースには、2つの生い立ちがあるように感じています。1つめは創業後のプロジェクトを通して、解くべき課題のひとつだと確信し、着想したこと。2つめは、幼少期からの今までのキャリアを通じて感じてきた課題感や身につけてきた知見の集大成だということです。

この記事では、農業・物流・製造業などなど、異常に広い領域の業務フロー変革に触れ続けてきた私が、独自のFounder Market Fit をして、使命感をもってプロダクトリリースに至ったことをお伝えできると嬉しいです。


1. サービス概要

「ゲキカル」は平たくいうと、業務フローをクラウド上で生成AIと作れるサービスです。
業務フロー整理をゲキテキに軽くして、組織横断DXの活性化、高解像度DXの実現を後押しします。
(動画、事例もあるのでぜひLP御覧ください)

5年ほど前から始まったDXブームも実験・PoCフェーズから、本業を変革する本格実施のフェーズに入ってきたと思います。
今では現状の産業・事業を無視してゼロから事業を作ることは稀で、将来のDXビジョンを目指しながら、現状の強みを把握し、現状の従業員からステークホルダーを巻き込みながら、着実に変革を進めていく企業が増えています。
そのような本格DXのフェーズで様々な挑戦と課題がありますが、我々が注目したのが「業務フロー」です。

いわゆる業務フロー図は、仕事のなかで誰が、何をやっていくかを模式的に可視化したものですが、生産性改善だけではなくDXの様々な場面に登場します。
あえて広義に業務フローという名前を使っていますが、時に応じて様々な名前がついたりします。
システム導入をするときの現状把握にも使いますし(ビジネスプロセスモデル)、新しいサービスを作るときの設計でも使いますし(サービスブループリント)、システムとの連携でも使います(シークエンス図)。最近だとAIへの指示を書くこともあれば(ワークフロー)、サービスとの相互の顧客体験を表すときに使うこともあります(カスタマー/バリュージャーニー)・・

DX文脈でサポートさせていただいているような業種では、重要性も利用頻度も年々増しています。アカチセでは、クライアント様が持っている業務フローをいくつも見てきましたし、コンサル業務をとおして数々の業務フローを作成してきました。

しかし、これほどまでに必要不可欠で、当たり前の存在になっている業務フローですが、実はもう十数年も進化していません。
エクセル上に図形を作成するケースがまだ多いですし、スライドやダイアグラムツール(Miro、draw.ioなど)で図示だけするケースもあります。
シンプルな業務を可視化するだけならこれでも良いのですが、我々はDXプロジェクトを数々進めるなかで「こういう使い方が出来ればよりプロジェクトが進むのに…」「より創造的な議論・実践ができるのに…」「より多様なメンバーを巻き込めるのに…」という場面に多く出くわしました。
さらに、開発前に行った100社以上へのヒアリングでも、想定していた以上の課題感が続々出てきました。
そこで自社の知見を活かして、本プロダクトの開発に着手しています。

2. なぜ業務フローなのか

よく「どうして、「業務フロー」という辺鄙(へんぴ)な領域で事業をするのか?」と聞かれることがありますが、私自身は「ちっとも辺鄙だとは思っていない」と答えます。むしろ、「業務フロー」は仕事のコアだと信じているところがあります。
私個人の人生を振り返ると、ちょっと特殊な「業務フロー」に関わる機会が多くありました。

例えば
・実家は製造工場を経営しており、幼少期から工場も近かったので、新しい機器の導入でどうオペレーションを組み換え、どう生産性があがったかなんて話をよく聞いていた
・コンサル時代は、日本を代表する企業のプロジェクトに携わり、大量の社員がどう業務フローを連携し、それを技術進歩や市場要請にあわせて変革していくのか、考える機会があった
・学生時代は、インド絨毯会社で全国農村部機織りをデジタルネットワークして生産を行う今でいうDX的な製造業で働いた
・独立時にはカンボジアでキャッサバ収穫、タイでデリバリーサービスを作り、植物工場や卸売市場の変革にも携わった
・前職ラクスルでは運送会社・大手メーカーの配送現場に出入りし、物流DXサービス立ち上げを行い、エンタープライズでのSaaS導入での業務フロー整理・合意の重要性を知った

業種・事業も一貫性がないようでしたが、ほぼすべての仕事において「業務フロー」の変革というテーマを一貫して持っていたように思います。

現場業務の匠の技が好きで、上記の経験・業種以外にも現場やヒアリングにて多くの「業務フロー」を学ばせて頂きました。
もちろん事業には、たくさんの重要なことがあり、「業務フロー」はそのうちの一つでしかありません。
ただ、「業務フロー」に自分は強く惹きつけられ、結果として一貫して関わり、その変革には一日の長がある程度には経験を積み上げてきました。
今回はその知見を横串で具現化したプロダクトになるよう開発を進めてきました。

3. ゲキカルで加速するDX

「業務フロー」という市場は狭義には小さいですが、広義に捉えると非常に大きな市場です
我々は業務フローや業務整理・BPRを起点に、産業と企業のDXを加速させられると考えています
(海外の類似市場領域であるプロセスマイニングでは、UiPath,Celonisというデカコーンが存在しています)

ゲキカルでは、DX・BPRなど業務フロー変革に関わる人間のアクションを、AI・LLMとアルゴリズムでアシストします。

業務に関わる散らばったデータを、AIにより業務フローのデータとして構造化し、フローというUIで協議をできるようにしています。そして、その内容を目的に応じて、AIで加工・再構造化します。その情報をもとに、DX・BPRやシステム開発の推進に役立てます。

上記の図のプロセスは、我々がプロジェクトで実施している思考・実行プロセスと同じです。同様の事をやっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、人力で同様のことを大量に行うのは大変で、下記のような状況も多いかと思います。

・本当はこの会議では抽象度を上げた、別の見せ方をした方が伝わるが、大変なので今回はよしておこう
・現場業務をより細かく把握したほうがいいが、まとめきれないので、トップダウンで進めてしまおう
・このサービス要件の曖昧さだと、システム開発が出戻る可能性が高いが、対話が大変なので一旦進めてしまおう

業務フローが重たいがばかりに、本来実現されていたはずの共創が生まれておらず、結果プロジェクトが行き詰まります。
結果、企業・産業全体のDXが進まなく、社会にあるべきサービスが提供されていないと深く感じています。
ゲキカルにより業務フローを軽くし、多様なメンバーの連携をよりしなやかにすることで、真のDX・デジタルトランスフォーメーションの加速ができると本気で信じています。

軽さの象徴のハチドリロゴ。ちなみに、業務全体で「ラク」になってもらいたいわけではなく、負荷が大きいところが「軽く」なったら、現場もプロジェクトチームも、創発性が爆発して、もっともっと面白い仕事をたくさんしてもらえる、という思いで、サービス提供をしています。なので、あえて楽チン感を出さないようにしています。

4. 一緒に業務フローDXに挑戦しませんか?

ゲキカルを運営しているアカチセには、現在各種プロフェッショナルを持つ多様なメンバーが携わっています。
世代、国籍、経歴も様々ですが、共通した指向性がある優秀な方ばかりです。
優秀なメンバーがあつまっていますが、ビジョン実現のためにはまだ仲間が足りません。現在、我々の創業フェーズをともに歩んでくれる仲間を探しています。

お気づきの方もいるかと思いますが、このサービスはプロダクトだけで完結するサービスではありません。BizDev・CSの力が必要です。
ゲキカルという新しいトンカチは作ったのですが、それをちゃんと適切な場所で使えるように、サービスを磨き込み、エンタープライズのお客様と伴走する必要があります。単なるパッケージ売りではなく、クライアントと深く理解・支援することで、本質的なDXに寄与する仕事です。

また、プロダクトもまだ構想の一部しか実現できていません。SaaSとして、生成AI機能として、アイディアは溢れるほどあるので、それを一緒に実現してくれるエンジニアの方も募集しています。

今後、リアルの業務フローの変革をともなうデジタルサービスが主流になっていくと思います。
業務フロー変革のインフラとなるサービスを作ることに関心がある方がいれば、この課題に一緒に挑戦ができると嬉しいです。
これからこのサービスを広げ、日本全体のDXを加速させるために、あなたの力が必要です。

カジュアル面談も実施しています。

また、自社だけで実現できないことも多く、クライアント様はもちろん、パートナー企業様ともどんどん連携していきたいと思っています。
DX・BPRに携わっている方で、自分たちのプロジェクトでどう使えるか試してみたい方、また、具体がわかりきっていないけど、こういう事できないの? こういった使い方もありそうだけどどう? みたいなお話もぜひぜひお待ちしています。

お問い合せ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?