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サイフク60周年 ブランド設立11年のインタビュー

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老舗ニットメーカー「サイフク」とキッチンアイテムを共同で開発した料理家 佐藤智香子氏が、様々な角度からニットやサイフクについて取材し、インタビューした全10話をお届けします。
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第一話 おすすめのハラマキを探す人、多数。「隠す」を「見せる」の逆転の発想にしたら・・・

新潟で活躍する料理家 佐藤智香子氏が、キッチンアイテムを共同で開発した老舗ニットメーカー「サイフク」。 今回は佐藤智香子氏が様々な角度からニットやサイフクについて取材し、インタビューした全10話をお届けします。 新潟県は五泉市(ごせんし)。 ここに、60年の歴史を誇る老舗ニットメーカー「サイフク」がある。 数々の国産アパレルブランドのニットを生産し、 多くの人が袖を通してその品質の良さを実感している 技術力の高さはいうまでもないが、 ここにいわゆるセーターやマフラーといっ

第二話 日本製ニットをつくる老舗ニットメーカー「サイフク」代表インタビュー。                「ニットの今と昔〜60年を迎えて〜」

今回は、日本製ニットが生まれるこの地「五泉市(ごせんし)」の歴史や、ニットメーカー「サイフク」の原点にまつわるお話を、サイフクの代表取締役である斉藤千佳子さんに私、佐藤智香子がインタビューしました。 (有)サイフク 会社概要 1963年創業、日本一のニットの産地 新潟県五泉市(ごせんし)に本社があるニット専門メーカー。 編み地から縫製、仕上げ工程まで社内一貫生産を築く、品質の良い「made in Japan」のニットを日々生産。 オリジナルブランド「mino(みの)」・「2

第三話 工場見学のその先に感じたもの「糸からニットができるまで」

普段何気なく着ているニット。 小さい頃、ニットを編めるおもちゃキットが流⾏っていて、 クリスマスプレゼントにお願いした記憶も。 友達と初めて手編みのマフラーを作ったり、 ニットで思い出すことは「懐かしさ」と「温かさ」。 今回「ワイオリキッチン」と「サイフク」が、 キッチンアイテムを共同開発するにあたり、 サイフクで行っている「工場見学」を私もさせてもらった。 ニット作りは、おおまかに「10の⼯程」に分かれる①原材料 ⽷選びからニット作りはスタートする。 デザイン、イメ

第四話「各セクションのプロフェッショナル達 その1 編立」

この頃は私、佐藤もサイフクの新しい分野への挑戦とも言える 「キッチンアイテム」の商品開発で頻繁にサイフクへ通っていた。 商品開発メンバーのお一人で、いつも寡黙にメモをとっていたのが田中さん。 声を発する機会はそう多くはないけれど、肝心なところでみんなが 「田中さん、これってできますか?」と聞いていたのが印象的だった。 1人で黙々とやるのが楽しい———田中さんとこうして向き合ってお話しするのって、 初めてかもしれませんね。 田中:そうですねぇ(笑)。 ———田中さん、寒く

第五話「各セクションのプロフェッショナル達 その2 パタンナー」

加藤さん、伊藤さん、佐藤さん・・・。 多い苗字だからと言うわけではないが、「鈴木さん」ではなく 「みどりさん」とみんなが呼ぶ。 「みどりさん」はキャリア40年。 「デザイン」をおこすことはできても 「パターン」をきちんとおこすことができる人は少ない、と言われている パタンナーの世界。 みどりさんは今、新たなチャレンジをまた始めたそう・・・ 素顔を拝見みどりさん:「マスク外すなら言ってくださいよ〜(笑)」 インタビューをしていた私は、みどりさんの素顔を(美しくお化粧はされて

第六話 ニットの修理依頼が毎日届くニットメーカーサイフク「ニットともっと仲良く」

気に入って何度も着たり、何年も愛用していると、 ひっかけたり出してみたら虫食いがあったというのもニット。 サイフクでは、そんなニットの修理を行っている。 今回はECサイトの管理運営で、お客さまと直接接する機会が多い斉藤智之さんにお話を伺った。 ニットから想いが伝わってくる―――サイフクさんでは製品を作り出すだけでなく、アフターケアにも力を入れているそうですね。 斉藤智:はい。きっかけはサービスの一環として行っていた「ニットのお直し」でしたが、思った以上に依頼をいただくこ

第七話 ニットで人と人をつなぐ五泉の新スポット 「ニットを身近に」

五泉を訪れる人にニットの文化を体感できる2つのスポットがある。 今回は「ワイオリキッチン」と「サイフク」が、 キッチンアイテムを共同開発するにあたり、何度も通った五泉の地の新スポットへ私も行ってみました。 人口約5万人の五泉市に、オープンから2ヶ⽉で10万⼈が訪れた「ラポルテ五泉」中に⼊るとまず⽬に⾶び込んでくるのが、 ニットとシルクで出来た「ラポルテ五泉」のタペストリー。 左側にあるグレーのタペストリーはニットで編まれたもの、 そして右側のホワイトのタペストリーはシルクで

第八話「新しい取り組み -ブランドを立ち上げる-」

サイフクが⾃社ブランドとして⼿がけた「mino」は今年で11年⽬、「226(つつむ)」は5年⽬。 「時代の流れと共にOEMだけでなく⾃社の雑貨ブランドをいつか作りたい」とサイフクでmino・226のブランドマネージャーを務める斉藤 佳奈子さんは考えていた・・・。 そんな斉藤佳奈子さんに、私、佐藤智香子がお話しを伺った。 出会い「自社ブランドを作りたい」そう思うようになり、そんな時に出会ったのが、中川政七商店の中川淳さん。 中川さんは、産地の⼀番星を作るというコンセプトで

第九話「これからのニット」

「mino」が⽣まれた2012年の6年後にスタートしたのが、「226(つつむ)」。 こちらは『ヒトと暮らしをつつんで、⼼地よくユーモアあふれる毎⽇へと導くこと』がコンセプト。 これまで、⽣活にまつわるあらゆるものをつつんで、届けている。 五泉駅の椅子を226(つつむ)———「つつむ」。面白いコンセプトで非常に広くて、無限の可能性のある言葉ですよね。 斉藤佳:本当に包めないものはないというくらい、いろんなことがニットでできます。昨年2月には、新潟駅や五泉駅の椅⼦をニットで

第十話「全ての取材を終えて」コラボ記念レシピを公開

全ての取材を終えて五つの泉と書く五泉(ごせん)。 水が綺麗な土地にニット製造の産業が生まれ、日本を代表する土地となり今に至ります。 手仕事の部分もまだ多いニット作りは、容易ではないはずですが、 皆さんそれぞれの持ち場で日々挑戦されていました。 キャリアの長い方は、次世代の担い手に伝えることで、 新しい感性と交わり、発見を繰り返しているようでした。 新しい方もどんどん加わっているサイフクさんは2022年度に 60年の節目を迎え、これから先、 どんなニットの世界を私たちに見せ