油彩道具と彫刻刀は魔法の道具
私は、油絵を制作することが好きだ。
失敗しても、次に塗り重ねると、その失敗が無かったかのように、それすらもはや予定通りであるかのように、帳尻が合い、良い色になる。上手くいかなかったことが、目に見えて次に活かされている。これがほんとうに嬉しくて、なんだか救われる。
油絵の具の質感は、万物に似ている、と思う。自然物にも人工物にも、固いものにも柔らかいものにも化ける。塗り方によっては薄くなったり厚くなったりする。絵の具は、どの色とも仲良しで、混ざりあっても、乾いたものが重なり合って