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備中鍬による畝立て法の改善、ニンジンの秋まきの時期、阿賀野市の牛ふん堆肥について質問して分かったことなど

この間、備中鍬による畝立て法を試しています。

畝を立てようとする場所に、雑草が生えている場合、平グワや犂だと草の根を掘り起こしながら、耕すのはかなり難しく、効率があがりません。

備中鍬の場合、草の根ごと掘り起こして、耕せるので効率がよいのではないか?

そう考えて、備中鍬を購入し、この間使ってきました。使ってみると、確かに草の根ごと掘り起こせます。除草+耕起+畝立てと言う合計でみた場合、作業時間は大幅短縮できます。

しかし、手首やヒジにかかる負担がかなり大きく、作業方法の改良が必要だと感じました。

昨日試してみたのは、備中鍬を「一度」振りおろし歯が地面に刺さった状態で土塊を草の根ごと「一気に」「すくい」あげる方式をやめるやり方です。

平グワで畝立てをする場合、この「一度」、「一気」に「すくう」方式で作業をします。

そもそも、備中鍬は自分の前方の地面に向かって振り下ろし、固まった地面を砕いていくものですが、畝立て作業をする時、平グワのように備中鍬を使う方式をこの間試してきたわけです。

昨日試してみたのは、草が生えている地面に対して、本来の備中鍬の使い方(地面を砕く)のと平グワ方式の折衷案のようなやり方でした。

まず、地面に備中鍬を振り下ろしたら、そのまま、持ち上げないで、歯が地面に刺さった状態で、柄を自分の体の前方に少し「押す」のです。

すると、雑草の根が「切れる」わけです。柄を自分の体の側に引き、振り下ろして歯が刺さった状態の角度に戻ったら、そこで土塊をすくわないで、そのまま歯を抜いて、少し横に向かって振り下ろします。

そして、また歯が刺さった状態で柄を前方に押します。

こうしたやり方で2-3回備中鍬を振り下ろすと、50-60センチぐらいの幅で地面が耕されます。草の根どうしが絡み合っていても、ほぼ根が切れて平グワや犂でそのまま掘り起こしながら耕せる状態になります。

本来の備中鍬の使い方のように前進しながらでも、平グワで畝立てをする時のように後退しながらでも、とにかく、順次、帯状に土を掘り起こしていくと、10メートルぐらいの長さを10分程度で処理出来ます。

この状態になっていると、平鍬でも犂でも掘り起こし+溝掘りが可能になってきます。

草の根が地に絡んだ状態で一気の土塊ごと掘り上げて溝を掘るのと違い、手首にあまり負担がかかりません。

備中鍬による掘り起こし作業をどのくらいの幅でやるのがよいか、犂や平グワによる溝掘りと組み合わせるとして、どういう手順にしたらよいかと言った点について、改良の余地があるので、今後の課題としたいと思いました。

それから、秋まきニンジンの草取りにかなり手間がかかりました。

8月末ー9月初にニンジンをまいた後、9月中下旬、10月にもまきました。

9月初までにまいたものは、年内にかなり根が肥大化しました。また地面に草が生えていた方が寒波よけになるようです。

9月中下旬、10月まきのものは年を越して3月になってもまだ根は太りきっていません。2月頃までは地面に草が生えていた方が、寒波よけになるのは、9月初まきのものと同じです。

問題は3月に入り、暖かくなって、草が急激に生長した今頃の除草作業に手間がかかりすぎることです。

9月初まきまでのものは、すでにかなり根が太っており、そのまま掘り起こしても販売可能な大きさになっています。

ですから、ニンジンの葉ごと、草を刈ってしまってもよいし、草が生えている状態のままにしておいても、あまり問題は生じないと思われます。

9月中下旬、10月まきのものは、葉も小さく、根も太りきっていないため、草に覆われた状態だと、それ以上のニンジンの生長が見込めません。

しかし、ニンジンの小さな葉や根を傷つけずに除草をするためには、文字通り「草の根を分ける」感じで一本づつ丁寧に草を除去していく必要があります。これはかなりの手間で相当の時間がかかります。

そもそも、地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケットで、できる限り年間を通じて、お客さんにニンジンをお届けできるようにしたい、と言うのが、ニンジン9月中下旬、10月まきを実施した理由です。

しかし、この除草の手間を考えると、9月初旬までに育てる量を現在の2-3倍にして、春まきニンジンが育つまで、そちらを供給するようにした方がよいのではないか?

昨日の除草作業をしながら、そんなことを考えました。

追加の質問を送った阿賀野市農林課からお返事がきました。

8000トンの牛ふんを堆肥にすると4000トンになり、うち2500トンは従来も市内農家で利用していた、残り1500トンを今回の耕畜連携事業で提供していくとの事です。

牛ふんを堆肥化すると約半量になると言うのは、重要な点だと思います。

農水省資料によると全国で年4000万トンほどの牛ふんが排出され、80-90%は堆肥化されているとの事です。

牛ふんは過剰施用すると、窒素過多に陥る可能性があるため、反(1000平米)あたり2トン程度の上限を定めている地域が多いようです。

4000万トンの牛ふんを2トンづつ入れるとすると農地面積200万ヘクタール程度です。

耕作放棄地や生産調整で事実上「耕していない」農地を除くと、現在、全国で「実効稼働」している農地は300万ヘクタール程度と思われます。

その3分の2に牛ふんが投入されているとはとても思えません。また、今後についても200万ヘクタールに投入すると言うのは、かなり無理がある、したがって、化学肥料の使用を削減し、堆肥利用を普及させたとしても、やはり牛ふん堆肥の「ダブつき」状態は残ると見ていました。

しかし、牛ふんが堆肥化すると約半量になるとするなら、全国で生産される牛ふん堆肥量は2000万トンかそれ以下になると見込まれます。

すると、農地100万ヘクタール相当分になり、「実効稼働」農地の3分の1程度になります。これなら、政府が積極的に政策誘導すれば、全量利用出来る可能性があるのではないか、そう思えてきたわけです。

引き続き、日本における「環境再生型農業」の展開についての考察を続けます。

2週間予報では、ここ数日は最高気温20℃超えとなるようです。昨日はジャケットもトレーナーも脱いでシャツだけで農作業をしました。

2月半ばに種まきしたニンジンとゴボウが発芽してきました。冬枯れしていたニラが芽吹いてきたので、その植え替えも必要です。今年は、葉物野菜の畝にニラを植え替えて「混植型」の栽培を試したいと思っています。

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