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メンタルヘルスケア ~No24 ストレスとは(その2)~

こちらの記事は、災害防止研究所公式サイトにて連載しております、過去ブログ内容です。
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■自律神経の不調が身体に与える大きな影響とは?

人は、リラックス・モードになると、副交感神経が優位となり、次の活動や危機的な状態に備えて身体を休め、栄養を蓄えようとします。

血圧が低下し、身体の動きは緩やかになります。
逆に、消化器の機能が活発になり、唾液は多く分泌され、胃の動きは活発になります。
器官別にみた自律神経の働き

2021-04-30 15_40_02-メンタルヘルスケア ~No24 ストレスとは(その2)~

これに対して、戦いモードに入ると、交感神経の働きが活発になります。

・まず、相手を目でしっかりと確かめようとします。
・逃げるのか、戦うのか、瞬時に判断をしなければならないので、脳神経が興奮状態になるので、眠気はなくなります。
・機敏な反応や瞬発力を高めるために、筋肉が十分動ける状態にしなくてはなりませんから、肝臓からグリコーゲンを分解し、血糖値を上昇させ、脳と筋肉のエネルギーを供給します。
・全身に酸素を供給するため、呼吸は速く、かつ荒くなります。気管支は拡張し、多くの空気を取り込もうとします。
・身体の重要な臓器に血液を集中させるので、末梢血管は収縮し、手足は冷たくなります。
・心臓はドキドキと活発に働いて、筋肉や脳に酸素や糖を、たくさん送り込もうとします。
・緊急事態には関係がない消化器の機能は抑制され、唾液や消化液の分泌は減り、消化管の運動は押さえられます。

このリラックス・モードと戦いモードの切り替えは、人間が生き延びるために身につけた非常に効率の良い、身体の自動的な制御システムです。

人は、この戦いモードが長く続と、身体が消耗するので、持続することはできません。

心臓を無理して早く動かしていると、心臓疾患を引き起こしたり、脳の興奮状態が続くことで、不眠症となったり頭痛が出たり、胃潰瘍や肩こりなどさまざまな不都合を引き起こします。

慣れない人が多くの人前で話をするとき、胸がドキドキして頭が少しポーッとするのは、交感神経が優位になるからです。それが終わるとドキドキは収まります。

しかし、家でゆっくりしているときにこのドキドキの状態が起こったり、寒いのに身体がポッポと火照ったり、暑いのに身体がゾクゾクしたりすることがあります。

身体が緊急事態だと錯覚するため起こる自律神経の調節障害です。

ストレスが自律神経の不調を招き、自律神経の不調は、血流の低下を招き、さまざまな症状となって身体に悪影響を与えます。

自律神経のバランスを崩す要因は、ストレスだけではなく、乱れた生活リズム、不規則な食生活、運動不足、喫煙、睡眠不足、それに加齢があげられます。

〇代表的なもの:
新陳代謝の悪化、集中力の低下、肩こりや頭痛など

〇身体的な症状:
頭痛、首・背中・腰の痛み、便秘、下痢、胃痛など

〇精神的な症状:
不安感、心配、イライラ、憂うつな気分、物忘れなど

〇行動面の症状:
外見が乱れたり、食べられなくなったり、眠れなくなったり、性欲が変化したり、お酒やタバコの量が増えたりなど


by saiboukenon 2020年9月9日

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