浜松連続放火事件 裁判員に接触問題

民家や神社などを放火した女。一審静岡地裁浜松支部は去年12月に懲役7年の実刑判決を言い渡しました。しかしその後、傍聴人が裁判員2人に接触し「女に自宅を燃やされた」などと話したことを裁判所が女の弁護人に報告しました。これを受け弁護人は「接触は裁判員法に違反する」として控訴。控訴審の初公判が明日22日に東京地裁で開かれます。

その傍聴人の行動は裁判員への接触を禁じた裁判員法第102条に違反する違法行為です。罰則としては、同法第106条に『裁判員等に対する請託罪』が規定されており、同条2項の「被告事件の審判に影響を及ぼす目的で、裁判員又は補充裁判員に対し、事実の認定、刑の量定(中略)について意見を述べ又はこれについての情報を提供をした」に本件は当てはまり、これは請託と同じ『二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金』が規定されています。

被告人が有利になるよう裁判員に声をかける事例(2016年に福岡地裁小倉支部で発生。声かけをした暴力団関係者が同法違反の請託・威圧で逮捕)は知っていますが、不利になるようにするのは初めてです。被害者と認定されていれば、法廷で検察官が調書を読み上げる形で裁判員に重い刑を科するように訴えかけることはできますが、起訴されていない事件ならそれが不可能です。だから接触したのであれば(一般的な言葉として)悪意が無いので責めにくいです・・・。

東京高裁での控訴審では1審判決を破棄して、この声かけを知らない裁判員でやり直すのか、この声かけは判決に影響なしとして控訴を棄却するのかが焦点になると思います。興味のある事件ですが、今は緊急事態宣言中です。当事者でも無い訳ですから、傍聴に行くのは控えたほうがよさそうです。

そして量刑への影響という点ですが、これは裁判員個々の考えにもよるし、当時裁判官と裁判員がどれくらいの量刑を考えていたかによって影響のあり無しが変わってくると思います。

一つ言えることは、私たち一般の傍聴人は法とマナーとモラルを守って傍聴しなければならない、ということです。

それではまた次回。 ↓私のブログです↓

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