来ない電車

先月末に大きな仕事がひとつ終わった。一息つけるかと思いきや、矢継ぎ早に新しい仕事がやってくる。とはいえこんなものは更新を落としてしまった言い訳だ。遅れてしまって申し訳ない。

罪を自覚するためにも今日は遅延の話をしようかな。

この国の電車はよく遅れる。日本でたまにある「到着が2分遅れています」程度ではなく、15分遅れは許容範囲という感覚。ちなみに私がこの国に来て初めて覚えた単語はもちろん「遅延」である。何かで見たことがあるが、この国の電車の1日の遅延合計時間は、日本の電車の1年の遅延合計時間より長いらしい。日本の電車が強迫的に時間通りなだけなのかも。よし、では遅れるだけならまあ10万歩譲ってよしとしよう。だが、奴らは遅延電車の到着ホームを直前に変更したりする。これには少しカチンとくる。30分遅れかーとぼうっと待っていたら、くぐもったアナウンスが入り、周りの人がぞろぞろ他のホームに向かって歩き出す。それでそれを2回くらい繰り返した後に、「やっぱ電車キャンセルで!」ってことが割と起こる。よく現地の人々はこの状況を受け入れてるなと思っていたが、それもそうだ。彼らにはアウトバーンがある。時速200km超で走るトヨタ車を見られる世界線が、そこにはある。

国民性からして日本人との相性が比較的いいとされているこの国だけど、時間感覚に関していえばそうだと思う。この国の人間と待ち合わせなどをすると、相手を待つことなどほとんどない。勤勉で時間を守る。これが両国民性に共通する重要項である。ただ私個人は、この国の人間と日本人がジェネラルに似ている、と言うのは、単にこちらサイドの片思いであると感じる。第一彼らの建前は、冬の朝の水たまりに張った氷くらい薄い。この点で日本人との相性が最悪と感じる。脳と口が直結していて、割とすぐに思ったこと(だいたい文句)を言う。ただこの文句というのが、人を攻撃するためではなく、自分が気分良くなるようにと機能している。そこが彼らの可愛いところだ。急に私のオフィスにやってきて、一通りブー垂れて、そして気分良く去っていく。もしくはオフィスで文句大会が始まって、そしてみんなで気分良く仕事に戻る。いち日本人として、はじめはこの状況は恐ろしくて仕方なかったのだが、「槍玉に挙げられることは避けられない、かつその文句にだいたい深い意味はない」とわかり始めてからは気にしなくなった。ちなみに例の電車遅延の件は典型的な槍玉であり、この国の人間と仲良くなりたければ率先してあげるべき話題である。彼らはきっと、「だーーよーーーーねーーーーー!!!!」と、その鉄道の歴史と、最近の経営方針、はたまた政治がうまく機能していないなど色々な要素を絡めて、15分くらい気持ちよく文句を垂らしてくれる。そしたらもうズッ友である。

最近新しい楽しいもの、見つけてしまいましたよ。学園アイドルマスター。この手のソシャゲはいつもすぐ飽きてしまう。けれど、学マスに関してはストーリーはもちろん、ゲームパートも古き良きカードゲームという感じで今の所十分以上に楽しめている。私が始めた頃に、お気に入りのキャラの妹が遅れて実装された。姉妹で揃えた方がきっとストーリーを楽しむという意味でもいいだろうと、2時間くらいリセマラして姉妹のSSRカードを揃えた。元々姉の方をめちゃくちゃに推していたので、姉の方を終わらせてから(ちょっと泣いた)妹の方を始めたが、妹が姉のライバル的立ち位置ということもあり、なかなか好きになれないままに終わってしまった。入学式に遅れてくるような体たらくを好きになれるはずがない。…わあ、なんという特大ブーメラン…!


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