でも、やるんだよ

「博士号を持つ僕が なぜ謝罪を」
すごい、短いセンテンスに何もかも間違ったものが一寸の狂いもなく収められている。次会った時にぜひ聞かせてもらいたい名台詞だ。もし入り用ならTシャツも作っておきましょう。背中にどでかく書いてあるやつ。ストリートの注目独り占めですよ。カッコヨ。

本気度。それは今僕も直面している問題かもしれない。
あいにくと真面目でないやつでも生き残れる(というか生き残らせざるを得ない)弊業種においては、さっさとやっといた方が良い事でも日々の繁忙を言い訳にして何かと後回しにされがちである。決して繁忙極まっている環境とは言えない、と少なくとも僕は思うのだけれども。
元より何かしらの成果が出にくい業種であって、その中で一生懸命に作成した資料は誰にも見られることなくそのままになる可能性だって大いにある。なら最初からそんなもん要らんじゃん、というわけでは決してなくて。いつかこの先誰かが、ふとしたときに「あれ、あそこのこれってどうなってるんだ?」ということを調べなくてはならないとなった時に、その資料ひとつあれば助かる、そういうことが万に一つもしかしたらあるかもしれない。今の仕事の本質は無数のそれらに備える仕事である、と僕は認識している。その認識がどうやら浮いたものであることも重々承知している。つい先日も、ISO取得のために各位こんだけのこと用意してリスクアセスメント作っとけよ、というお達しがとても偉い人から来ていたのだけど、弊事業所におかれましては今のところそれに備えている気配は一切ない。というか多分読んでない。どうするんでしょうね、あれ。知らんけど。

そちらのボスの考え方、きっと何とか状況をハックして楽を目指す人たちからしたら鬼のような人なのだろうなって思う。あくまで一般人的な感性だけど、そのスタンスの方が研究をする上ではとても真摯なものであるのは間違いないよなって思っちゃう。そして学生たちに対しても、それは博士号のための博士号なのか、などと知った風な口をききそうになる。とてもじゃないけれど僕には耐えられそうもない苦難を乗り越えてきている方々であるにもかかわらず。

『違国日記』という僕が好きな漫画の中にあった一節。
「誰のために何をしたって人の心も行動も決して動かせるものではないと思っておくといい ほとんどの行動は実を結ばない まして感謝も見返りもない そうわかっていてなおすることが尊いんだとも思うよ」
報われぬ努力とか、光の浴びない仕事とかをしていると、ふとこの言葉を思い出す。

最近この漫画が映画化されて、まぁその出来については一切置いておくとして、改めて原作漫画を読み直してみると、今の僕の思考のあちこちにこの作品が影響を及ぼしている節がある。全11巻のそれを今3巻ずつ人に貸していっているところなのだけど、なんだかだんだんと恥ずかしくなってきている。自分のクリティカルなところを明け透けに開陳しているような気分になっている。でも「それでも読んでくれ」の気持ちが強いので、引き続き貸し続けている。

高校野球観戦の件はだね、えっとだね、全然覚えていない。行った気もするけれど、でもじゃあいつ行ったのかとなると皆目見当がつかない。そもそんな近場に住んでいたわけでもなかったしね我々。今ほどじゃないにしろ。

職業的仕事じゃない方の仕事がだんだんと切羽詰まってきているので、正直もっと夜遅くまで起きてあれこれしていたいのだけど、その度に「ああ、でもそうするとかめぞう(カメックスのあだ名)やもふもふ(ウィンディのあだ名)が眠れなくなっちゃう!」みたいな思考になって結局寝ちゃうの、ちょっと毒されすぎなきらいがあると思う。もっと自分をこき使うべきなのかもしれない。
ということで今日はこの辺じゃ一番大きい図書館行ってあれこれ借りてきた。やはり物量は正義。


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