広告コピーは、チョコレートから学べ。

あなたの近くのコンビニでもよく目にする、
あるチョコレートの話です。

一つの読み物として、読んでいただけたら嬉しいです。

そのチョコレートは、
【赤色のパッケージの″ミルク″】と
【金色のパッケージの″ビター″】の
2種類の味が仲良く並んでいます。

そのチョコレートの名前は、「GABA」。

コンビニやスーパー、薬局でもよく見かけますよね。

あなたも何気なく手にとってしまったこと、ないですか?
実は、このチョコレートのパッケージには、
ライターとして学べる要素が凝縮されているんです。
GABAからライティングの本質について迫っていきます。


まずは一つだけ、質問。

あなたにとってチョコレートは
どんな時に食べたくなるものですか?

・甘いものを食べたくなった時

・小腹が空いた時

・ちょっと疲れたなぁって時

・3時のおやつ時

・脳が糖分を欲している時

・毎日の習慣として食べる!

・何かお口がさみしい時

・コーヒーのお供に!

・アイディアを考えるときのエネルギーに!

・バレンタインデーは、ちょっと楽しみに待っちゃいます。

 あなたにも当てはまるもの、あったんじゃないですか?

たしかにいろんな時に、
「あぁ今、チョコレート食べたいな」って思うきっかけがありますよね。


どうやらチョコレートは多くの人々にとって・・・
デザートやおやつの一つであり、
小腹を満たすためのものでもあり、
ちょっとしたエネルギーの源でもあり、
2月14日の代名詞・・・でもあるようですね。


★さて、話を「GABA」に戻します。

パッケージをよく見ると、商品名GABAの上に何か書いてあります。


「ストレスを低減する」
GABA

ほうほう。
GABAにはストレスを低減してくれる効果があって、このチョコレートを食べればストレスが抑えることができるかもしれない!

こう感じたのか、コンビニで「GABA」を手に取っていく多くの人たちの姿を目の当たりにしました。

ですが、GABAの横には、もっと美味しそうな・・・なんだか手に取りたくなるような魅力的なチョコレートが並んでいます。
(もちろんGABAも、とっても美味しいです!笑)


たとえば
・健康を意識した「糖質控えめ」のチョコ。
・柔らかさが伝わる「雪解けのような口当たり」のチョコ。
・新しいもの好きにはたまらない「新食感」のチョコ。
・定番かつ、音で楽しむ「サクサクッ」とするウエハース入りのチョコ。
・味で楽しむ「宇治抹茶味」のチョコ。

たくさんのチョコレート達が、
「自分を選んで〜!」と言わんばかりにアピールしています。

それにもかかわらず、
選ばれていたのは「GABA」でした。
(私が見たのは、特に男性の購入者が多かったですね。)

それは何故か?

その答えはもちろん、
「ストレスを低減するGABA」
というコピーにあります。

もちろん100%が、コピーというわけではありません。
並々ならぬ企業努力による商品開発努力とPR活動があったのは間違いありません。

しかし、一消費者として手にとりたくなるのは
やはりコピーの力による影響力が強いと言わざるを得ませんよね。


このコピーのなにがそんなに凄いのか、というと

「チョコレート」と「ストレス」という
新しい関係を構築している

ということです。

今までチョコレートは、おやつや小腹を満たすもの、プレゼント・・・としての概念だったのに、

このたった1つのコピーで
<ストレスを低減させる>という新しい概念を生みだしたのです。

ストレスという、目に見えないものは怖いですよね。
人間は日々、何かしらのストレスと戦っていますから。

・「お金」のストレス
・「締め切り・時間」によるストレス
・「肉体的な労働」によるストレス
・「人間関係」によるストレス

いろんな形のストレスがあります。

特に、「人間関係」のストレスは
集団に所属している限り、どうしても発生します。

(私は「会社」っていう響きだけでストレスを感じるくらいなので、毎週日曜日は憂鬱ですよ...)

もしこれらのストレスが、たった一粒のチョコを食べるだけで少しでも和らげることができるのなら。

しかもたったの200円足らず、で。
そりゃ、欲しくなるのも納得です。

こうして、GABAは多くの店舗に常に置かれるヒット商品となりました。


ライターというと、言葉の魔術師で、人を操る、ボギャブラリーが凄い・・・みたいなイメージが強いですが、

コピーの本質は、
言葉という武器を使って
ユーザーとモノの新しい関係性=価値観を構築すること
です。

言い換えると、
その新しい関係性(価値観)を通して、モノを見せること
です。

でも、私がたまたま男性の購入者を多く見ただけなのかもしれませんが、
仮に購入者の割合が大半男性ということで間違いないのだとすれば、

女性は男性よりも、少しだけ

・購入することでストレスが自分にはあると認めたことになるので、回避したい
・周りの人にストレスを感じていると思われるのは恥ずかしい
・店員さんの前に持っていきにくい

などのような心理が働きやすいのかもしれませんね。

さらには、企業の多い街の方が売れやすい、というような「場所性」も売り上げには大きく影響していることでしょう。

さて。
たった一文を見ただけで、
たった一言を言われただけで、
チョコレートを買う気がなかったにもかかわらず、
つい欲しくなってしまう。

コピーってすごいでしょ?

ばりゅー

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