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想う空。感じる空。同じ空。

電話が鳴った。電話を取ると、親友の声が聞こえた。元気かい、とか、最近はどうだい、とか他愛もない内容だったのだが、なぜか私はその電話を切ることができなかった。君は人の機微によく気が付くやつだった。少し散歩をしないかと誘われた。待ち合わせをして、合流すると、私たちは近くの公園に足を運んだ。良く晴れた日だった。そう思った。だから、
「いい天気だね。風も気持ちよく吹いているし。空はきれいに晴れているし。」
と言った。
ところが、君はこう言った。
 「いい天気ではあるけど、自分はそうは思わないな、もう少し曇っているほうが自分にとってはいい天気だな。」
その答えに少し戸惑いながらも、そっか。と答えた。
 「だけどね、この天気も良いとは思うんだ。」
そのあとに君は続けてこう言った。
 「君と私は同じじゃないけど、同じものを分かり合えるんだ。当たり前かもしれないけど、同じものを見ていたって、どう感じるかは違ったりするものさ。」
「そんなの、普通だろ。」
「そう、普通なんだ。僕らにとっては。でも、僕らの普通がどこでも普通であるわけじゃないだろう。もし、誰から見たって普通である人がいるなら、きっとその人は普通じゃない。」
と君は言った。
その意味を今ならしっかりと理解できるよ。

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