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視点という教養(リベラルアーツ)

どの情報からこの本を予約したのだろう。
思い出せないのだけど、とにかくその情報源よ、ありがとう!今年いちばん面白かった。

歴史を面白く学ぶコテンラジオの深井さんが、
リベラルアーツ(教養)に出会うために
物理学
文化人類学
仏教学
歴史学
宗教学
教育学
脳科学
の研究者と対話する。

これが、儲かるとか使えるとか役に立つ感のない、純粋な学問への興味とその解説で、
教養というと物知りとか知識人みたいな感じがあるけど、むしろ思想や哲学的対話のようだった。

特に興奮したのは仏教学と脳科学。

「私」を含めた全てのものは実体を持っておらず、可能性でしか存在できない。
それが仏教での自我の考え方です。

松波龍源(2022)視点という教養 chapter04 仏教学

19世紀のドイツの物理・生理学者のヘルムホルツは「ものが見えるのは、無意識的推論だ」と言いました。推論というと意識的に頭で考えることをイメージしがちですが、「無意識的な」推論なんだというのがミソです。

乾敏郎(2022)視点という教養 chapter08 脳科学

脳科学は何より、東洋哲学である仏教との親和性が非常に高い。仏教では認識のレベルを細かく分けて、それぞれがどのように稼働するかを定義しているんですが、これはまさに当時の脳科学ですよね。
そして今、脳科学が自然科学の手法で同じ領域を攻めています。驚くべきことに今のところ、仏教が言ってきたこととの齟齬がほとんどないんです。現代の科学が、仏教の真理を裏付けする状態になっている。

深井龍之介(2022)視点という教養

臨床心理学の分野で今注目されるメンタライジングも、精神分析の中から生まれた概念でありながらも、脳の機能として脳科学的に説明される。
not-knowingの姿勢など、なんだか近しい気がするぞ。

ますは仏教についてもう少し教養を深めたいと思った。早速図書館で予約しよう。





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