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私が留学するまで



前置き



Cedars-Sinai Medical CenterのCardiovascular AI Labに留学しているYuki Sahashiと申します。心臓AIラボでは、主に心エコー、心電図、電子カルテ(EHR)情報を用いたAI研究を行っています。

私はまだ論文を発表できていませんが、2023年にはNature / Lancet Digital Health / JAMA Cardiologyなどに論文が掲載されているので、アメリカではとても活発なラボなのでしょう。
(私もこれらの分野での論文報告を目指しています)

たまには真面目に、留学に至った経緯を語ろうと思います。
最後には、どのように留学を目指すかも(その時にやる気あれば)書きます。

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読んでいるよと、よく耳にするのは結構嬉しいことです。


これが勤務先だよ

最初のきっかけ

もともと、将来は海外で働きたいと思うようになったのは、研修医の頃だったと記憶しています。そこから英語を勉強したり、論文を書いたり、臨床医学研究デザインと分析を勉強したりしていました。

私の臨床分野の専門は不整脈疾患で、不整脈について教えてくれた尊敬する先輩がフランスに留学していたので、何かチャンスが巡ってくるかもしれないと漠然と思ってたんですが、その先輩以外にそのようなコネはなかったですね。

そんな中、Twitterという沼に初めて足を踏み入れたのは2018年だったと記憶しています。それはもう、不毛地帯でした。でも、その不毛地帯では、医学分野や年齢に関わらずたくさんのコネクションができたし、くだらないことを話したり、切磋琢磨できる同年代の友人もたくさんいたから、私にとっては良かったです。

ある日、突然、循環器の先生からこんなツイートが流れてきました。

コードを書ける人、留学したい人、連絡ください~

チャンスの神様には前髪しかない。まじでありがとうございました。

真面目な話、これは普通の人ならスルーするような何気ないツイートですが、3秒以内に反応しましたね。

「コードを書ける」の意味など1ミリも考えずに。

メンタル的にはこんな感じ、分かる人には分かる
「俊さん、いや、ここ俺に蹴らしてください」

コードテスト

その後、現在の主任研究員(PI / Boss)を紹介され、Zoomで面接を受けました。自分の経歴と研究歴を話し、ボスからは

Okay、コーディングテストをしますので、解いて~。
2週間後くらいにまた教えて~

コーディングテストとは

コーディングテストの詳細は伏せますが、RとPythonを用いたテストでした。
Rでは大規模データのハンドリングと、そのData Vizualization
- Pythonでは、医用画像と深層学習を用いて問題を解く (Open CVでの画像の前処理も多かった) って感じです。

いまでこそ、GPT-4があるので一瞬で解ける自信(それを自信と呼ぶのか)がありますが、雑魚ですので当時は苦労しました。

わたし、そもそも医学部卒やねん

さはし

んで2週間後にZoomでプレゼンテーションすると、「Wonderful !!」とお褒めの言葉を頂いてOkをもらいました。個人的には、全然大したことをしていなかったので、「あ、まじで?ほんまに?」って感じでした。

そこからは、臨床/教育業務やリサーチ業務の傍ら、Bossから指示されたことをある程度最低限勉強しようと心がけました。具体的には、LLMの基本 / SQLの基本 / Linux / Git /Docker の使い方などでしょうか。一般的なプログラマでは簡単なことでしょうが、循環器内科医(脳筋)でしたので苦労しました。

大事な情報を公開しちゃうよ 【有料級】

Bossからは、まぁこれ見とけや~!と言われたfast.aiのTutorialコースは結構しんどかったです。1個2時間*20コマあるし、途中から結構ガチで難しくなった覚えがあります。(VAE / Transformer / Diffusion付近とかまじで意味不でしたが、今となっては、何となく拡散モデルとか理解できるのはこのおかげなきもします。)

他にも、kaggleの公開コードで勉強したり、コンペで色々教えて頂いたり、東京大学の有名な人工知能研究室の公開講座の多くは受講していました。



まぁ今だからいうけど、「やっぱ私には無理っす」とか相談したね

現在の内容は、まずは画像分野での研究を行っています。次に心電図などの波形データ、最後にはマルチモーダル(複数モダリティ(画像やテキストなど)の融合分野と思って頂ければ)までやりたいなとは考えていて、日々勉強が必要な日々です。

人工知能とビッグデータ解析を行う内容では、これまでの医学留学(循環器学)には、あまりないパターンだと思うのですが、これから少し増えてくるのかなとは思います。

ちなみに、出来れば現在18歳~25歳の若い方には是非もっと貪欲に目指して欲しいと考えています。私のようなおっさんには未来を変えられないので、是非10歳代、20歳代の方には未来を変えて欲しいなって思っています。


留学のきっかけを作る

これまで医師の臨床留学ってどういうパターンがあるかというと

1.   学会で直接交渉
2. 自分の所属の教授のコネクション


が多いのかなと思っていました。

都心部のキラキラな医局だともしかしたら豊富なコネクションがあって、定期的に留学先を持っているのかもしれませんが、

不毛地帯であるTwitter(X)には、Posdocでの募集は流れています。
わたしの場合は、日本人の先生から紹介してもらいましたが、基本的にはPIから募集がかかっています。
(個別の案件はたくさんありますが、ここでは取り上げません。”hiring Postdoc”とかで調べると結構出てくる。)

学会で直接相談されてもその人がどんな人(業績・人柄)かわからないので、TwitterのDMで飛んでくるほうが評価しやすいのかなとは考えています。

その上で大事なのは、

・意識してTwitterを運用する。
・自分のHPを作成する。(or Linkedinのアカウントを作成する。)

出典:さはし

と思います。何が大事かというと、相手(PI)の気持ちになって、履歴・業績に加えて、行うことができるSkillsetをわかりやすく記載しておくことは重要でしょう。

最後に。

人生いろいろですが、行動しないと変わりませんから。
周りの誰かは、自分のことにそんな注意を割いてくれません。
これを見て、誰かの背中を押せたらいいなと思っています。

行動しないと変わりませんから、私は本日もIn-N-Outを食べました。

OnionはGrillこそIn-N-Out

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他にはここには書ききれないことも多くありますので、留学トークでの講演会のご要望があれば、TwitterのDMから連絡くださいませ。

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