人生初の海外はケニアに父の墓参り〜ケニア探訪記3


不安

本やネットでケニアの情報を探ると、たくさんの不安要素が出てくる。

ビザは取れるのか、食べ物が口に合うか、蚊や虫の問題、水が悪い、トイレが劣悪、などなど。

英語ばかりの申請に、あまりに不安で、東横線に飛び乗って自由が丘にあるケニア大使館まで行った。
よく考えたら予約などしていない。門は閉じられている。あーバカな私、と絶望的な気分。時刻は14時になろうとしていた。
ちょうど誰かがランチの帰りなのか、外車が大使館に入ってきて、門が開いた。車の中の黒人の方が「ん?お客さんかな?」的なリアクションをした。そこで勇気が出て、門のインターホンを押して、個人でケニアにいきたいのだけれど相談に乗ってくれと言うと、受付の方だろうか、固い声で本来は開けないのだけれどと前置きをされて、特別に入れてもらえた。先程の車にいた黒人の男性が私の横を通り、受付の女性によろしくね的なことを英語で言った。受付の方は日本人だった。それだけでホッとした。52年前の父の事故現場に行くために個人でケニアに行くのだが、と話をして、VISAの入力が難しくて、どうしたらいいか聞くと、今はeVISAオンリーで、大使館でできることはない、今は日本語に訳せるから頑張ってと言われた。がーん。
それでもワンチャン、ケニアの地図もらえますかと言ってみたら、折りたたみの地図がもらえた。すぐ人に頼ろうとする自分の甘さに落ち込み気味だったが、ちょっと気分が上がった。こういう図々しさも海外行くなら大切よね。

今まで旅行代理店はどこも同じだと思っていたけど、まずJTBに行ったら、ケニアへの航空券は扱っていなかった。錦糸町のHISは全国旅行支援のスタートや初売りセールなどで混みまくってて、一度は来店予約をとったのに手違いで予約されていなかったりして三度も足を運び、ようやく航空券が取れることになった。

「今戦争中だからロシア上空が飛べないので、北経由の便はありません。初めての海外でツアーでもなくてナイロビまで乗られるのならば、安心なのが、事前にお調べになったエミレーツ航空ドバイ経由ナイロビ行きですね。乗り継ぎも全部エミレーツだからロストバゲッジもしにくいと思います。トランジットは5時間くらいです。席はまず四人並びで取りますね。48時間前になると席は変えることができますよ」
???…じゃあとりあえずそれで。全然ピンと来ない。丁寧な説明だけど当時の私にはちんぷんかんぷんだ。でもとりあえずHISの方の言う通りに。

ところが支払いの段になって、クレジットカードが決済できない!!え、なんで!?航空券取らないと次に進めないのに!!…でもよく考えれば、普段多くても数万円くらいしか使わないカードに、いきなりケニア行き航空券4人分86万円の請求が来たら、無理もない。私がカード会社の人でも、カードが盗まれて悪用されたのだと考えて止めるだろうなあ。カード会社に電話をして本人確認をして盗まれてません、本人の買い物ですと言ってようやく決済ができた。

エピソードに事欠かない、珍道中の様相。この頃が一番何をしていいのか闇雲に動いて不安の壁にぶち当たっていたような気がする。

続く

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