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京都産の木材「天然出絞丸太(てんねんでしぼまるた:天絞)」が秘めているもの。

#先日の余談

僕は数年前からやんわりとだけど継続的にランニングをしています。走り始めたのは2014年「第一回京都高雄マウンテンマラソン」。その後は「京都マラソン」を2回完走しているし、「比叡山インターナショナルトレイルラン」は未完走(45km関門まで)だけど、そろそろ趣味の一つと言っても良いかと思ってます。

最近はサボリ気味なんだけど、、自宅から数kmで山沿いとなり、トレイルコースなど楽しめる環境も続ける要因になっている。京都の山々は林業として管理されているエリアが多く。すくっと縦に伸びた杉や桧の森が延々と続いている。

2011年に北山杉を用いた家具のプロモーションに関わる機会もあって、京都市木材地産表示制度である「みやこ杣木(そまぎ)」や、北山杉・絞り丸太と呼ばれる「北山丸太」という言葉を知る機会にもなった。その後、2015年にも家具カタログにも関わっている。

先日、そんな北山杉でモノづくりがしたいというご相談があったので、改めてリサーチしたことをまとめていこうかと思う。間違いなどあればご一報ください!


日本の森林面積の40%ほどは人工林

日本の2/3(森林率:森林面積/国土)が森林とされ、その森林面積のおよそ40%は人工林とされている。遡ると高度経済成長期、山地の多くは杉や桧の需要を見越して人工林として整備されたことは近代史としてよく耳にする事実。比較的生育期間は短いとされる針葉樹だとしても商品になるまでに30〜40年ぐらいの期間が必要なこともあって、先祖が植えた苗木をその子孫が販売するという途方もない事業なので組織化されるのは当時真っ当な判断だったのだろう。(僕は花粉症です)

針葉樹は比較的柔らかい材に分類されており、広く知られている用途は建築用資材であり、近年の少子化による建築需要の目減りはさらに拍車を掛けている。北山杉は「和室、床の間」の利用が盛んであった頃から比べると『商品として育っても売り先が無い』と、さらに厳しい時代なんだと容易に推測される。

日本全国の林業にとっては共通課題のようで、様々な研究や開発がある。CLT(Cross Laminated Timber:板材を繊維方向を直交するように重ねて圧着加工)と呼ばれる木材は「林野庁」でも利用促進されたり、柳宗理がデザインしたバタフライチェア(積層された成形合板の椅子)で有名な製造元である「天童木工」では、針葉樹を圧密化する技術が開発されている。最近だと熊本県南小国町にて小国杉という素材を用いて「FIL」というライフスタイルの提案もあるし、海外の研究でも「木材を鋼鉄並に強く、硬くする技術が開発される」なんてニュースもある。未来はけっして暗闇の中にはない。


板材ではなく丸太材として

「北山杉」「北山丸太」はどちらも商標登録を取得されており、産地の思惑としては固有ブランドとして高付加価値を狙ったと思われる。ざっと説明すると一般的な木材は柾目や板目という「板材」として商品が多い中、樹皮を剥がして表面を磨いて仕上げる「丸太材」としての商品として生産されている。

<主なラインナップ>

天然出絞丸太
北山丸太の中でも10%程度の生産数。その木肌は圧倒的でとても豊かな表情を持っている。

人造絞丸太
伐採する2〜3年前に出絞丸太の木肌を人工的に再現している。天然と比較するとリピート文様の工業製品という印象。

磨丸太
絞りの木肌はなく、表面の艶感や白木の肌はとてもシンプルで美しい。

垂木
数寄屋造りなどの建築様式で用いられることが多い。比較的若い材料として流通されるが、短い生育期間の中での枝打ちの頻度も多く手間の掛かる材。

左から磨丸太、人造絞丸太、天然出絞丸太

天然出絞丸太の木目(断面)

天然出絞丸太を面皮加工(丸太の木肌残す加工)した残りの材

天然出絞丸太に面皮加工して杢(もく)を生かした材

天然出絞丸太の板をはぎ合わせて大きな板に加工した材

例えば虎斑杢(とらふもく)と呼ばれるブナの木目は高級家具などで使われており、希少性・意匠性の高い木目は杢(もく)と呼ばれている。天然出絞丸太の安定供給が「北山杉(北山丸太)」の高付加価値の要なんじゃないの!って思う。生育期間(30〜40年)ということが何とも歯がゆいです。

補足:北山丸太の特徴(京都北山丸太生産共同組合)

(ひとまずこんな感じ。また加筆するかも♪)

#北山杉 #北山丸太 #天然出絞丸太 #木材 #林業 #杉

僕のnoteは自分自身の備忘録としての側面が強いですが、もしも誰かの役にたって、そのアクションの一つとしてサポートがあるなら、ただただ感謝です。