メンズコスメの未来
気になるニュースがあった。ジョンソン・エンド・ジョンソンが一部の美白製品の販売を中止するようだ。
Black Lives Matterの余波かは分からないけれど、世の中が変な方向に向かっているなと感じる。
正直、美白にしたい人は美白化粧品を使えばいいし、美白を望まない人は美白効果のない化粧品を使えばいいと思っている。
差別に対する抵抗は理解できるが、それを押し付けるのは違う。
価値観の強要によって多様性を失うのは非常にナンセンスだ。
メンズコスメに興味を持ったきっかけ
化粧品に対する価値観でいえば、男性のコスメに対する意識には多様性が生まれつつあると感じる。5年ほど前は男性がメイクするなんて。。。というイメージがあったが、ここ数年でだいぶ変化した。
THREEやCHANELなどのデパコスブランドを皮切りに、資生堂unoやL'UOMOなどのプチプラ、Marc Jacobsなどのハイブランド。ちょっと詳しい人はイニスフリーやDTRTといった韓国コスメブランドにも手を出している。
私自身も仕事が忙しい時期、肌荒れがひどくなり、隠すためにメンズメイクに興味を持った。ちょうどFIVEISM×THREEが展開を始めた時期で、ドキドキしながら伊勢丹メンズ館のお姉さんにメイクしてもらったのを覚えている。
毎日利用するわけではなくたまに利用する程度だが、確かに肌のキメが細やかに見えたり、清潔感が増すように感じる。
洋服と同じように身だしなみの一つとして取り入れている。
メンズファッションとメンズコスメ
今回はそんなメンズコスメの未来を、身を飾るという意味でファッションとの共通点を起点に考えてみた。
結論としては、全ての男性が化粧をするのは現実的ではないが、メンズコスメは身だしなみの一つとして確立していくと考える。
男性のファッションに対する姿勢として、興味の度合いでざっくり3種類に分類した。
1. 気にしない人
2. 気にする人
3. 凝っている人
このうち「2. 気にする人」がメンズコスメのメインの顧客層として浸透していくと想定している。
人数比はよくあるイノベーター理論でいう所の、
1. 気にしない人=レイトマジョリティ〜ラガード (50%)
2. 気にする人=アーリーアダプター〜アーリーマジョリティ (47.5%)
3. 凝っている人=イノベーター (2.5%)
くらいの割合でイメージしている。
1. 気にしない人
ある一定割合の男性は、コスメに限らず自分の身だしなみに対して興味を持っていない。会社ではスーツを着ていて分からないが、プライベートで見かけると。。。な私服をしている人はかなり多い。
こういった層に対して直接コスメを提案することは難しく、まずは洗顔や化粧水のような基礎化粧品をさらに簡素化して、当たり前にする文化作りが導入のきっかけとなる。
2. 気にする人
身だしなみを気にする層は、清潔感や力強さ、可愛さなど様々な価値観に細分化されるが、基本的に男性ファッション紙で紹介されるような「メンズ」ファッションは女性向けのそれと比べて装飾性を控えたモノが多い。
黎明期であるメンズコスメも清涼感や目立たなさといった「分かりやすいメンズ」を意識してプロモーションされている。
また、男性のメイクがまだ一般的でない現状においては、「メンズ」メイクというネーミングこそがある種安心感を生み、免罪符的に機能している部分もある。
彼らのようなこだわりの強い層や、プレゼントとしての需要を狙って、品質への訴求や、生産背景、ビジュアルなどを押し出して売る戦略は非常に有効であると考える。
3. 凝っている人
コスメに対して強く関心を持っている層こそメンズコスメという括り自体に興味を抱かないかもしれない。ファッションをSelf-expression(自己表現)として捉えている、モードを作る側の人々だ。
ファッションでも、ファッションを強く愛している人は、女性モノであろうと、個性的であろうと関係なく自己の表現を貫き通す人がいる。
彼らにとってはメンズやレディースの括りも無意味であり、先進的なアイテムがファッショニスタのSelf-expressionの一部として積極的に取り入れらていくのだろう。
そのうちメンズにもメイクのモードやトレンドといった概念が生まれるのかもしれない。
※2020/6/15号のPenでも男性が女性の姿でパフォーマンス行うdrag queenが特集されていた。Self-expressionとしてのメイクの非常に象徴的な人々だ。
今のメンズメイクに足りない要素
やはりメンズメイクは目立たなさ、清涼感といった売り出し方をしているものが多い。
メイクする男はこうあるべきだ!みたいな価値観がまだまだ狭いような気がする。例えば、ファッションにもミリタリーやアメカジといったジャンルが特に男性に根強い人気があるように、男性らしさを強調するメイクなんて考えてみると広がりが生まれるかもしれない。
男性性を強調するメイクのイメージ?
個人的に少数民族のメイクについて今後深掘って考えてみよう。
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