シャニマス 雛菜プロフィール帳の話

アニメ先行上映第一章、入場特典の話です。
雛菜さんでした。

生まれ変わったら何になりたいか?という質問で、「雛菜!」と書いていたのが、怖かったと同時に、かなり納得してしまった。

普通、生まれ変わったら何になりたいか?と質問されたら、大抵は今より大きな幸せを夢見るもので、わざわざ過酷な状況に身を置きたいと願う人はいないだろう。
私は生まれ変わったら、少し前に亡くなってしまった、実家で飼っていた猫になりたい。
不特定の猫ではなくて、私が飼っていた猫。
なぜかというと、少なくとも私たちは彼を心の底から愛して、第一に考えながら生活していたつもりで、我々の庇護のもとで、人間が見ている限りでは幸せでいてくれただろうと信じているから。

不特定の猫に生まれ変わりたいという人は多いだろうが、それも労働の苦しみから解放されたいとか、好きなときに寝て好きなときに食べて過ごしたいとか、少なくとも何かしらの「幸せ」が確約されていると思うからそう願うにちがいない。


市川雛菜という人間の持つ世界観は表裏がとても明確で、表向きは享楽思想、そして裏にはあまりにも徹底した利己主義がある。
そしてそれは自分自身にすら発揮されるので、未来の自分や生まれ変わった自分など、自分が知覚するこの今に存在していないものは全て他人と同義だと考えている。
だから雛菜さんに言わせれば、犬や猫やクマに生まれ変わった自分など「知らない」わけで、そこに幸せを求める意味などなく、理由もない。

雛菜さんが知っているのは今その瞬間の雛菜さんの幸せだけなので、迷いなく「雛菜に生まれ変わりたい」などということが書けるのである。

プロデュースする前は、雛菜さんにとっての「しあわせ」とは何なのかという点が彼女のプロデュースにおいて重要になると思っていたんだけれど、
本当に重要なのは「しあわせだと思うに至る過程」や、「しあわせだと思っているその自分自身」で、「しあわせ」の内容はあまり重要ではないのだなという認識をしている。今のところ。

甘いものを食べて「しあわせ〜」って言ってる雛菜さんは想像できるけど、好きなものを聞かれて「甘いもの」と答えている雛菜さんは想像できない。
それが雛菜さんの怖いところです。

おわり

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