②度数の種類(前編)

前回、度数がなんなのか説明しましたが、度数には2種類あります。

・完全系
・長短系

今回は「完全系」の一部と「長短系」の2つを紹介します。
前回同様、「ドレミファソラシド」の音階を参考にして、「ド」を基準にした度数の表記例を見てみましょう。

度数_2

実は、短長系には「長」と「短」の2種類があります。
ドレミファソラシドにおいて「ド」を基準にした場合、「完全」と「長」しか出てきません。この理由については後々わかってくるので、今は一旦下記のことを覚えてください。

・1度・4度・5度・8度=完全系
・2度・3度・6度・7度=長短系

前回の記事で度数の数え方については理解いただけたかと思いますが、ここから難しいのがその度数によって、上記のように呼び方が変わってくるのがポイントです。


【完全系について】

面白いのが、これは音楽理論が理論としてではなく感覚的な側面を表すところで
「1度・4度・5度」が「完全」と呼ばれるのは「響きが綺麗だから」なんです。
こんなところで共感覚の話が出るのは果たして音楽理論なのか、、、と思ってしまいますよね。

ただブレイクダウンすると実は、それぞれの周波数を比較した時に綺麗に割り切れる周波数であることが科学的な側面といえます。

完全4-5比率

例えば、チューニングの際によく基準となる440Hz(A=ラ)に対して、完全5度にあたる「E=ミ」は660Hzです。

そのため完全5度は周波数の比率において2:3になります。
また、完全4度は3:4で割り切れます。

もちろん完全1度・8度は同じ周波数かその倍数になるので、割り切れます。
音程の周波数をいちいち覚える必要はありませんが、
音の響き方には科学的な側面を持ちながら私たちの感覚に訴えているのが音楽理論の面白いところだと覚えてくれれば幸いです。

【長短系について】

「長短系」には「長」と「短」の2種類があります。
下図のように2度を例にして考えてみましょう。

長短系2度

ピアノの鍵盤の並び方に馴染みがある方はすでにご承知のように、ドレミファソラシド(ピアノでいう白鍵の並び)において『「ミ」・「ファ」』と『「シ」・「ド」』の2つは、他の白鍵違って半音差しかありません。

そのため、以下のことが言えます。
長2度=全音離れている(半音2個分)
短2度=半音離れている

これが、前回度数の記事を書いた際に、「○度」だけでは正確に音程の差を表せないと話した理由です。
譜面上で1個分だけ離れていても、それが半音なのか、全音なのかはこの長短によって表されます。

また、それぞれ2音を同時に弾いた時、響き方が短2度の方が音がぶつかり心地よくない不協和音になります。
そのため、和音の心地良さはこの音程の差によって決定づけられるのです。

次回後編においては、3度、6度、7度の長短系について説明していきます。ありがとうございました。

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