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花見すら出来なかった春だが。

いつもと違った、お前と過ごす、春。
この春が過ぎ、何年経っても俺は忘れるコトはないだろう。

それだけ色んなコトがあった。

大きく物事が動いたのは、木枯らしが吹き始めた頃だったが。

あのくれーから、俺達の関係は、気持ちは、距離は。
明らかに変わってった。

今も、変わり続けてる。

お前と季節を愛でつつ酒でもと思ってたのに、んなヒマもねーまま。

互いのコト、それぞれが大事にしてるモノに忙殺され続けてる。
コレはいつか、俺らに訪れたんだろう。

だが、互いに心の準備が出来ねぇまま、ソコへ時間を費やしてる。

時にケンカし、怒り、悲しみ。そして、笑い合う。
ソレを繰り返して、俺らはより近くなった。

春が終わった頃。
汗ばむ季節になったら、また俺らは色んなトコが変わってるだろう。

ちっと怖ィが。
お前が隣にいる夏をまた、迎えてぇ。

花見もロクに出来なかった俺ら。
打ち上げ花火観る余裕、欲しーな。

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