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次のデートが延期に

サエコと初デートから1週間。
毎日LINEのやり取りが続いている。
「おはよー」から始まり…
仕事の状況やランチのこと、夜の宴席なども話題になる。
些細なことでも互いに声を掛け合うことで関係が少しずつ緊密さを増していくものだ。
互いに「自分のことを気にしてくれているんだ」という安心感・安堵感が得られる。

そんな最中、サエコから次のデート延期の要請が来た。
なんと新型コロナに感染したと言う。
これはどうしようもない。
7日間の自宅療養が明けるまで、家から出られない。
幸い症状は軽いらしい。
デートを翌々週への延期する。

約束の週がやってきた。
ところが、今度はオレがコロナに感染してしまった。
7日間の自宅療養。
当然、デートは延期だ。
幸いオレも症状が軽く3日目にはほぼ健康を取り戻した。

再度の仕切り直しとなったが、これがなかなかうまくいかない。
サエコは地方での講演依頼が入り、オレも地方出張が入り、予定がスレ違いなのだ。
お互い仕事上は責任ある立場に就いているので、なかなかやりくりが大変だ。
そんなこんなで、結局、10月終わりまでデートはお預けとなった。
初回のデートから2ヶ月弱あくことになる。
仕方がない。
せいぜいまめにLINEを交わして対話を絶やさないようにするしかない。
大人の恋は時間調整の闘いでもある。

だが、不安もある。
「もしかしてサエコはオレを遠ざけようとしているのかも」「好きなどと言ったものの、一時の気の迷いだったのかも」「今彼との関係に未練があって、踏み出せないのかも」などといろいろ妄想してしまう。
恋した時の心理状態てのは「期待と不安」の交錯だ。
それはいくつになっても変わらない。
さて、どうなるか…

(つづく)

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