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かつて愛した女たち(4)ユキ

ユキと出逢ったのは、カナエと交際し始めて数週間経った頃だった。
六本木のディスコでのこと。友人と3人で遊びに行ってナンパしたのだ。

先方も3人だった。声をかけたのはもちろんオレ。
「僕らも3人なんだけど、よかったら飲みませんか〜」と。
3人とも美容師だった。みんな美人さんだったが、中でもユキがひときわ輝いていた。
ハーフのような顔立ち、スラリとしたボディ。
すぐにメルアドを交換して付き合い始めた。ユキは既婚で、オレと同い歳、お互いに40歳だった。

初回デートで色々聞いた。
短大を卒業してすぐに結婚し、すでに2人の子供は大学生。
ダンナとは家庭内別居状態だと言う。
なんでも、数年前にダンナからスワッピングクラブへ誘われ一気に「嫌いになった」と言うのだ。
刺激を求めてアブノーマルな世界に興味を持つ気持ちは分からないでもないが、いきなり女房をスワッピングに誘うとは馬鹿な奴だ。

2軒目で「付き合わない?」と告白。
即OKをもらう。
それから関係は2年続いた。
それまで付き合った女性の中では、とびきりの〈いい女〉だった。
一緒に韓国旅行や温泉旅行へも行った。

とにかくオレにゾッコンだった。
そして、SEXが大好きな人だった。
女性特有のアレのためベッドインできない時も、人気のないところでオレの息子をお口で慰めてくれた。
「このチ○チ○、持って帰りたい」なんて、よく言っていた。

2年たった頃、突然「他に好きな人ができた」と言って去って行った。
訳がわからず落ち込んだ。
最後に会ったとき、何があったのか聞いた。
新しい男は、パート勤務していた会社の社員で「女房と別れて君と一緒になる」と口説いたようだ。
ユキも、ダンナと別れたがっていたから一致したのだろう。
オレには「結婚したい」などと一言も言わなかったが、それはオレの家庭に〈配慮〉していたからで、本心では別れてほしいと思っていたのだろう。

その後ほどなくして新しい男とも別れたと仄聞したが、オレの元に帰ってくることはなかった。

今でもユキとの2年間を時々思い出す。
もっとも熱く燃えて愛し合った女性だった。
その後も何人かの女性と付き合ったが、ユキを超える女が現れることはなかった。

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