熱海市で土石流 他県民にできることは
「埼玉県の良さは?」
と聞かれたら、
「他県に行きやすいところ」
と答える。
温泉にもスノボーにも東京にもディズニーにも行きやすいところこそが、埼玉県のいいところであると。
すると、
「いや県内にはないのかよwww」
と返される。
もちろんあるが、それはそうだ埼玉TVを見て感じ取ってもらえばいい。
自分の良さを考えたとき、「こんな素敵な親から生まれてきたこと」と挙げてもいいわけで、「こんなおもろい友人がいること」と挙げてもいいわけだ。
就活の面接で言う必要はないが、思うのは自由である。「そうだ埼玉TVをやっているところ」と挙げたっていい。
静岡県があることは、日本のいいところの一つに数えられるし、熱海市に行ける距離感なのも、埼玉県のいいところの一つに数えられる。
熱海でのんびり過ごしたことがあるのも、僕の人生のいいところだ。
そんな熱海市で、2021年7月3日、大規模な土砂崩れが起こった。
行方不明者は多く、今なお救出活動が続いている。
このあと起こることといえば、政治家の失言があり、著名人の失言があり、それに伴う謝罪、バッシングがあり、各国の反応と対応の違いを煽る記事が出て、それに伴うバッシングがあり、政府や自治体の対応の悪さを叩き、陰謀論が出てきて、予言者がTwitterあたりから話題になる。
今回の土砂崩れが起こった理由は明らかになっていないし、今後の調査は必要だが、少なくとも今我々にできることは、「見守る」ことしかない。
なにもしないという行為は一見非情な感じもするが、実際現場へ行って救出活動ができるわけではないし、救援物資や募金の受付が始まったわけでもない。
だからといって黙ってていいのかと、様々なことに声を挙げることも必要かもしれないが、その声は本当に誰かの勇気になる声だろうか。
今必要なのは正確な「情報」であり、地質学や災害の専門家でもない我々に提供できる情報はない。静岡県民でさえない。
もし部外者でも力になれる「声」があるとすれば、それは、今なお不安な思いで過ごしている熱海市の方々に寄り添ってあげれるような優しい「声」であり、少なくとも誰かを傷つけるような「声」ではない。誰かにマウントを取るための正論でもない。
刃物のような声を上げるくらいなら、見守るという行為の方が良い。
かけてあげられるものがあるとすれば、それは毛布のような優しい「声」だ。
というタグで、各々が熱海市の良い思い出を書くだけでもいいと思う。
僕はやっぱり熱海市といえば、Fuuaが好きだ。
千葉とも神奈川とも違う、哀愁漂う静岡の海を一望できる、あの露天立ち湯は絶品だ。
近くの防波堤で、波音だけを酒の肴にボーッとしていたのもいい思い出だ。
「なにもしない」を肯定してくれたかのような時間であった。
プーさんは言った。
「なにもしないをするんだよ」
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