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フリーズ将棋 さぎの序盤①

※本記事はフリーズ将棋のルールや特性をある程度ご存知の方向けとなる。

何を宣ひ奉つてんのか解からなゐ、といふ御方は上記のサイトをご覧になると捗るだらう。

【先手番】鷺宮流 対エクトリアシステム

多くのプレイヤーが愛用している作戦、それがエクトリアシステム(以下ES)である。シンプルな中飛車の構えに角側の端歩を添えるだけで、相手に強烈なプレッシャーを掛け続けることが出来るという現時点での最強戦法だ。

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特に先手番では鬼のような勝率を誇っており、これにどう対処するかがフリーズ将棋の棋戦での勝敗にそのまま直結するような状況と言える。

ESの優秀さは①攻防に優れている②組むまでのスピードの2点が大きい。特に②に対応できないとあっさりとやられてしまう。フリーズ将棋は迅速に陣形を組むことが求められる時代になった。①については「中飛車の攻撃力」と「角の機動性」が大きな理由なので、ここをどうするかだと思う。

まずは先手番を持って、後手番のESに対応する手段から考える。そもそも先手番を握ったなら自分でESをやれば良いという話ではあるが、それは迎合的でシャクなのでこの記事を書いているのだ。

さて鷺宮流、先手番なら必ず▲76歩である。ESからいきなり離れるので後手としては逆に向かいやすくなるが、それでいい。

画像2【残フリーズ:先手3後手3】

中飛車+端角が強いのは勿論なのだが、この▲76歩も相当な迫力がある。例えば後手の角がいなくなれば直ちに▲33角成(フリーズ桂馬 ※以下F桂の様に省略する)のような強襲も成立してしまうからだ。この▲76歩は「端角したいなら△32銀とかで33を受けときなさいよ」という先制の主張である。

好み等により前後はあると思うが手順例として

▲76歩 △52飛 ▲58飛 △54歩 ▲48銀 △14歩 ▲36歩 △32銀 ▲37桂

画像3【残フリーズ:先手3後手3】

この図が基本形となる。先手番ならこの桂馬が余裕を持って間に合うのが主張で、△13角には▲25桂(F角)を見せて牽制できている。これなら後手ESからも速い攻めは難しく、実戦では△31角から角を転回するような指し方が何度か見られている。

この後の先手としては

①どこかで45桂を狙う

②35歩~34歩の突き出し(角道が通っていれば)

③陣形を盛り上げて後手の攻めを受ける

…など色々好みで考えると良いと思う。手が進んでくると後手から37の桂頭を狙われたりと弱点もある(△35歩F歩と、先手の36の歩にぶつけるような仕掛けがある)ので、うまくケアしながら指していきたい。先手の囲いも基本的にはESベースで▲78銀を上がるだけでもそれなりにしっかりとしている。但し角道が素通しの状態(後手が△55歩を突いてない)だと銀を上がった瞬間に先手の角が浮くので気を付ける必要はありそう。

この後の詳細な変化については、実戦例が少なく私自身が整理できていないこともあるし、また気になる変化があれば書いていくことになると思う。次回は後手番での先手ESに対する基本的な組み方を書く予定なので、また参考にして頂ければ…。

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