V名人戦A級開幕を眺める
ついに真澤V名人への挑戦を争うA級がスタートした。
開幕戦はRoi将士ー漣カユク。
Roiさんは居飛車も振り飛車も指せるが、個人的には角換わり腰掛銀の攻めの強さが印象的だ。カユク君も攻めが強く、振り飛車党の多いV名人戦リーグの中、純粋な居飛車党として、期待を背負っている部分が大きい。
本局は予想を裏切ってRoiさんの角交換振り飛車となった。カユク君は面食らったところだろう。そのあたりの動揺が序盤から出た感じがした。
後手がバラバラなうちに先手から▲46角と動いてきた。対して△23銀としたのがやや甘かったか。代わりに△33角と打っていれば後手も互角以上にやれるイメージだ。
本譜の△23銀に対しては▲75歩が機敏な仕掛けだ。
ここで本譜は△33角▲78飛と進み、後々に▲73歩成が82の飛車に直撃するため、後手が強く戦えない展開となった。
△33角に代えて△84飛はあったかも知れない。
▲74歩の取り込みには△同飛があるのでやらないだろう。
▲78飛△86飛▲74歩△87歩成と進んでどうか。
この踏み込みなら▲73歩成のアタリを避けている。
これでも振り飛車が互角以上とは思うが、やってみる価値はあったかも知れない。
中盤以降は先手のRoiさんが形勢を守れるかという将棋になったが、
カユク君が技を繰り出して難しく喰らいつくところや、冷静に対処してスッキリ寄せたRoiさんの安定した力が印象的な一局だった。
A級はやはりレベルが高いと思う。
今後とも見逃せない。
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