デザインの良さをどう計測しますか?
昨日行った勉強会がとてもおもしろかったので、そのまとめを自分なりに書いてみます。
邪悪なデザインがまかりとおっている現状
執拗に送られる宣伝のプッシュ通知、求めてないのに右下に出るチャットの吹き出し、ユーザーをあせらせてコンバージョンさせようとするメッセージ。
このように、利用者の体験をないがしろにして、ビジネスのゴールを優先させた邪悪なデザインがまかり通っている現状があります。もちろん、ビジネスゴールも大事ですが、利用者にとっての体験も重要です。なぜ、このような現状がうまれているのでしょうか。
デザインの価値をゆるふわな表現でしか言えてないのが問題
数字はビジネス上の共通言語です。UXといったゆるふわな表現ではなく、デザイナーも数字を理解する必要があります。
また、ビジネスとデザインは異なるのに、コンバージョン率などのビジネス指標を良くないまま使っているのが問題です。良くない指標とは、様々な解釈がうまれたり、ユーザーの姿・行動が見えにくいものです。
ビジネスゴールを利用者のゴールに置き換えてデザイン指標を定義しよう
美容室のサイトを例に説明します。
左がビジネスゴールで、右が利用者のゴールです。
・売上アップ → お店へ行きたくなる
・予約数の増加 → 思い立ったらすぐ予約できる
・認知度アップ → その美容室を好きになる
・就職の申込み → 魅力的なチームと一緒に働きたい
「売上アップ → お店へ行きたくなる」のデザイン指標はこのようになります。お店へ行きたくなるときにユーザーが取る行動を考えて、それを「店舗情報を見ること」と定義しています。加えて、実際にお店へ行く人はいくつかの美容室を比較・検討していると考えて、再訪問者に絞っています。
・悪い:ページビュー
・良い:店舗情報までスクロールした割合
・すばらしい:再訪問者(吟味した人)が店舗情報までスクロールした割合
・理想的!:5%の再訪問者(吟味した人)が店舗情報までスクロールする
良いデザイン指標には次のような条件があります。
・実行可能:何をすべきかわかる
・理解可能:だれがみても一義的にわかる。人によって解釈が変わらない
・比較可能:5%のように具体的数字が示されていて、目標達成したのか、どれぐらい足りないのか、どうしていけばいいのか議論できる
・割合・比率:2000人といわれても全体でどれぐらいかわからない
・行動・態度:ユーザーの行動や感情の要素が含まれている。デザインならでは
なお、5%の再訪問者という数値は、最初は勘で決めます。調査や議論したらそれだけでかなり時間がかかってしまいます。まずは決めて計測し、結果をもとに調整すればいいのです。
デザイン指標をつくるのは難しいですが、つくらないとつくれるようになりません。何度も作って精度をあげていきましょう。なるべくプロジェクトの初期につくると、その後のデザインや議論がスムーズになります。
まとめ
職種をこえたチームの共通言語として、ビジネスゴールに紐付いた、利用者のゴールとデザイン指標を定義しましょう!
参考
HEARTメトリックス(Googleが考案したUX計測のフレームワーク)
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