【パラレル介護ヘルパー歳時記】《芒種》【腐草蛍となる 門真】
シスターロゼットサープ
僕はその人のことをよく知らない。
基盤にあるもの、
ギター、歌声の強さ弱さ、緩急
跳ね方
練りながら叩きつけるリズム、
強い線で絵を描くような、
ギターを持って仁王立ち
それがロゼットという人のイメージ。
いつのまにやら、あれよあれよ、
気候は《芒種》にはいっていた。
世は水気を帯び、
熱は地表を蒸しあげる。
我々の生き様の奥底にあるのも
いわば一種の液体で
時に、熱気を帯びて
膨らんだり、噴き出したり、
個体を違う場所に連れていく。
基盤にあるもの
子供心に覚えた傷の味
浅い夢のように立ち消えた陽炎
愛だ恋だと上手に煽ってみても
本質的な無関心
白い猿が、
黒い猿や、黄色い猿をいじめる風景画
自分の立場護る為に、
若い世代を後回しにする年寄りの杖が
小さな虫ケラを潰したその音
足元にもある熱と
さっきまでの雨は、
足下の草を蒸らす。
蒸れた草はいつか蛍になるみたいに。
いつか蛍になるみたいに、僕らも、
足元に熱を感じて、
基盤にある山ほどの感情を
今日も練りながら叩きつけるリズム
跳ね方
白い猿が偉そうに牙むいて吠えた土地で
神の賛美こそ、
薄汚ないダンスホールのギグに替えて
ギターかき鳴らしたロゼットという人みたいに
綿花拾いながら
手にしたブルース
大音量で足下から
蒸らした草と
水蒸気練りながら叩きつけるリズム
基盤にある山ほどの感情を
いつか蛍になるみたいに、僕らも
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