ガルベス日記#4マゾの本質~ブーイングするのは是か非か~

皆さんが仕事や学業で失敗した時にかけて欲しい言葉は何でしょうか?「なんで失敗したんだ!」「馬鹿野郎!」、そんな言葉でしょうか?そうではないはずです。では、スポーツ選手も同じではないでしょうか?

スポーツの世界では負けてしまったチームのファンやサポーターがチームに対してブーイングをする、叱責を浴びせる場面を度々見かけます。好きなチームが負けて悔しい気持ちは分かります。でも考えてみてください、一番悔しいのは今目の前にいる選手やスタッフなはずです。

時に怒りの感情は反骨心になり、モチベーションに変わる事もあります。しかし、一番傷ついている人に対して罵声を浴びせる事は僕にはできません。コロナ前はよく「やる気あんのか!」という声を耳にしました。よく考えてください、選手たちは試合に勝つことで勝利給が発生します。生活に直結するわけです。そんな状況でやる気が無い人間なんて居るでしょうか?

僕はサッカーやバスケット、バレーボールなど様々なスポーツを見るのが好きで、よくスタジアムやアリーナに通います。どのスポーツを見ても思うことがあります。「スポーツ選手ってマジすげぇな」と。

皆さんは、子供の時から本当に好きだった事を職業にしてご飯を食べているでしょうか?多分、色々な挫折を経験し、自分の能力や才能を鑑みて今の仕事をしていると思います。僕だってそうです。それはそれで素晴らしい事で、批判される事ではありません。普段、僕たちが見ている選手達は、恐らく、本当に子供のころから好きで好きで仕方がない事でご飯を食べているんだと思います。プロの世界に辿り着くまでに想像を絶する努力をし、幾多の競争に勝ち続けて来た人達なのです。「一番好きな事を職業にするが上の苦労」だってあると思います。食事の面など私生活にも影響はあるだろうし、プレーが上手くいかず、本当に好きだった競技が嫌いになる瞬間があるんだと聞きます。ただ何となく生きてきて、Twitterとかで変な事ばっかり言っている僕にしたら、それだけで尊敬に値します。そんな努力の才能の塊みたいな人達に僕は汚い言葉を浴びせる事はできません。

勿論、お金を払ってスポーツを見ている訳ですから、自分の思いのままにならなかったら文句を言う権利はあるでしょう。でも、お店で自分の納得のいかないサービスや商品が出てきた時に、店員さんに罵声を浴びせるという事をするでしょうか?恐らく、常識のある人間ならそんなことはしない筈です。

僕はサガン鳥栖が好きでずっと応援しています。2018年・2019年の過酷な残留争いの時は本当に辛くて、試合が近づくのが本当に辛くて辛くてしょうがない時がありました。今まで一番好きだった事でです。そして、2020年、降格が無いシーズンでこんな事を思いました。「俺、なんであんなに必死だったんだろう…」と。確かにサガン鳥栖というクラブは僕にとってなくてはならないかけがえのないものですが、言ってしまえば「ただの趣味」です。一番好きな事で、苦しい思いをしても仕方がありません。だから今は、プロスポーツだから勝敗は大切だけど、勝敗だけに執着するのは止めようと思いました。

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僕は小学校低学年の時に初めて、当時の鳥栖スタジアムでサッカー観戦をしました。当時はサッカーの事なんて一切分かりませんでしたが、大人たちがお酒を飲みながらワイワイ言っている雰囲気がたまらなく好きでした。それから数十年、「鳥栖の神童」と言われるほど可愛かった幼少期の僕もすっかり年を取り、さえない中年男性になってしまいましたが、今でも変わらずスタジアムには通い続けています。スタジアムには沢山の子供達が居ます。そんな子供達が、選手に浴びせられる罵声、ブーイングを聞いてどう思うでしょうか?ひょっとしたら、その言葉が将来の大切な仲間達を失う原因になつているのかも知れません。

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