見出し画像

初めての自作PCで、PCと初めて向き合えた話

ひょんなことから初めてPCを自作しました。
その経緯や、初の自作PCを通じて感じたことを書きます。

僕はパソコンのことを何も知らない

一緒にオンラインゲームをしている方から「今買い替えるならどのグラボがいいですか?」と聞かれた。
相手から見ると、私がIT系の仕事をしていることは知っているし、PCでゲームしているくらいなんだから、当然PCのことはよく知っているであろうということで聞いてくれたのだと思う。

しかし私はPCパーツについてほとんど知識がないのだ。
PCパーツは基本的に「数字がデカければ強い」という世界なので、数字が大きいものを買えばだいたいのことはできるし、完成品を購入すれば各々のパーツがどれくらいの性能を発揮しているかなんて意識しないまま運用することができる。
そこから出来上がったのが私のような「PCに詳しいであろう人」という実態とかけ離れた存在である。

よくよく考えると不思議な話で、完成品のPCを30万という大金を払って購入するくせに、その商品のことをよく知らないという状態である。
本来であればよく調べて身の丈にあったものを購入するべきなのに、PCの「大は小を兼ねる」という要素と、「なんだか複雑そう」「知らなくても使える」という点が私のようなカモを生み出していたのだ。

この歪な存在に終止符を打つべく、今回初めてPCを自作することにした。

自作PC動画を見て気づいたこと

とにもかくにも「数字がデカいほうがいい」以上の知識は持ち合わせてないので、片っ端から自作PCの動画を見た。初心者向け組み立て動画から、各パーツの性能比較動画、初心者が組み立ててみた動画までありとあらゆる物を見た。大物Youtuberの金に物を言わせた動画は真似できそうにないからあまり見なかったが、動画内でなにかミスしたときに解決方法がコメントに集まっている可能性があるので参考にできる要素はあった。
この"勉強パート"を通して今まで気づかなかったことを挙げようと思う。

組立自体は簡単

初心者向けの解説動画を見ていて感じたのは、「これ組み立て難しくないな」だった。メモリを挿す場所は2番目と4番目のスロットですみたいな初見殺しは少々あるものの、基本的には説明書を読んで書いてある通りに差し込む、これだけである。
実際自作PC動画のほとんどはパーツ選定理由の説明が長くて、組み立ては倍速カットなどが多い。丁寧な初心者向け動画でもわりとサクっと進んでいく。自分に合うパーツを調べて集めるのが難しく(それが楽しい部分でもあるのだが)、それができないと組み立て自体が始められないのが敷居の高さだと感じた。

自作PCのコスパは特段高くない

自分に合ったものを選んで、自分で組み立てるんだから完成品買うより安くなると思った。人件費より高いものはないからである。
ところがどっこい昨今の半導体不足や円安傾向から、ほとんどのパーツが海外製であるPCパーツを1個1個買う自作PCのコスパはそれほどよくない。
調べれば調べるほど、BTOパソコン(完成品)でいいかなと何度も思った。

また調べている途中で「机の上に乗せたいから小さいPCにしよう」となったのだがこれもまたコスパがよくない。マザーボードが小さい分、拡張性が失われるのだから安くなるだろうと思ったら、小型化分のコストが上乗せされるタイプの代物だった。

今回買ったパーツ群。秋葉原で買って持ち帰ったら筋肉痛になった。PCパーツは重い。

これらの要素は情勢だったり、PCに求めるものによって変わるので一概に自作PCはコスパが悪い!って話ではないし、いかにコスパの高いPCを作成できるかなんて楽しみ方もあるが、
秋葉原のPCショップでパーツかき集めれば安くPCが手に入るわけでもないし、昨今のBTOパソコンはグレードの種類やカスタマイズが豊富で、多くの人はそれで満足できると思った。

ゲーミングPCの定義は使う人によって違う

私が思うゲーミングPCは「ゲームができて配信できるやつ」だった。
調べてわかったのは「ゲームができるPC」と「同時に配信もできるPC」は全く違う存在だということだ。7年前のゲーム機であるPS4ですらどちらも当たり前にこなしてしまうため、必要なマシンパワーに差があることに気づいてなかった。

「ゲームができるPC」って部分も「どのゲームを」「どのくらいの画質で」「どのくらいのフレームレートで」って当たり前だが人によって違うのに、何故か今までゲーミングPCといえば、ゲームができるやつだよwで一緒くたにしていた。こんなことにすら気づかなくしてしまうほど、PCの「大は小を兼ねる」という要素は大きいと思う。

ここで困ったことがある。
ゲーミングPCの定義が人によって違うため、解説動画で紹介しているPC構成を丸パクリすることができなのだ。
私はFF14を2560x1080の解像度(いわゆるウルトラワイドモニタ)でフレームレート144出しつつ、録画配信ができるPCを目安に組もうとしたのだが、
そんな細かい条件かつ実プレイベースで性能検証している動画はほぼないため、近しい用途でPCを組んだ人をツイッターで探したり、それでも足りない部分はある程度目算が必要になった。

FF14はミドルクラスのゲームだが、高解像度で高いフレームレートを出そうと思うと、
それなりのスペックが必要となる。 

世界に一つだけのPCを作り上げよう!

前項まで読んでも自作PC私もやりたい!とあまりならないと思う。1から勉強するにはパーツが多いし、壊したりでもしたら出費もさながらメンタルにくる。
私も今回はPCパーツについて勉強するという別の目的があったから色々調べていたが、新しいPCを組む必要まではないのではとか、得た知識で自分の望むものに近いBTOパソコンを買えばいいのではと思った。

では何が私をPCを自作するに至らせたかというと、「光るPC」だ。
一緒にオンラインゲームをやってる人のPCを見せてもらったのだが、
なんかめちゃくちゃ光ってた。かっこよくて私もこれやりたいってなった。
光ることの良し悪しは人それぞれだが、見た目がいいことは物を大切にすることに繋がりやすいし、自作で作ったPCは世界で一つのPCになるんだとわかって、すごくモチベーションが上がった。世界で一つの要素は見た目でもいいし、性能でもいい。こんなふうに光る!こんなことができる!なんでもいい。
オタクに取って所有欲に勝るものはないのである。

PCを自作したその後

そんなこんなで自作PCが完成して今ではメインPCとなった。
秋葉原のパソコンショップで10万円以上の会計をするときは、ほんとうにこれで合ってるのかと震えたし、初めて画面がついたときの達成感は凄まじいものだった。

初通電。緊張の一瞬。

今ではすっかり自作PCにハマって、前まで使っていたBTOパソコンはどんなパーツが使われているのかバラしてみたり、しばらく自作する予定もないのに新しいパーツの情報を追ったり、PCを修理をして銭を稼ぐゲームを購入した。

もっとPC環境をよくしようと思ってキーボードとかオーディオについて調べ始めたりもした。ハマっているのにPCを組む機会が人生でそんなに多くないのが悩みのタネだったりする。

さぁみんなも自作PCやってみよう!とは情勢的にも言いづらいのが悲しいところではあるが、今回ひょんなことから自作PCを作ったおかげで、パーツ性能、BTOパソコンのメリット・デメリット、円安などの世界情勢、所有欲満足感などなど色々なものを理解、享受することができた。
もしこの記事を読んで、自分も自作PCやってみようかなとか、次PC欲しくなったら筆者に相談してみようかなんて思っていただけたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?